楠雄夢小説 ★完結★
□戦い
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空「そんな・・・馬鹿な。あの制御装置は完璧なはず。」
空助はショックを隠しきれない。
楠『見ているんだろう。早く出てこい!』
楠雄の表情は怒りに満ちていた。
空「くっ。」
空助は重装備をし部屋に入ってきた。
空「こんなはずじゃ・・・楠雄、一旦待って。」
そう言う空助をおもいっきり殴る。
空「ぐっ!!」
壁は崩れるが、空助は無事なようだ。
空「いてて。何するんだよ楠雄。実の兄に死なれでもしたらどうするんだい。」
しかし、楠雄はもう一度空助を殴る。
空「がはっ!!」
楠『佐能さんを泣かせる奴は、たとえ実の兄でも許すわけないだろう。』
空「は、ははっ。蛍ちゃんの事・・・本当に好きなんだね。」
空助は右手に壊れた楠雄の制御装置を持っていた。
空「楠雄、これが最後の戦いだ。」
空助は壊れた制御装置を直す。
空「この制御装置を奪えたら楠雄の勝ち、僕が楠雄の右の装置を抜いたら僕の勝ち。これならわかりやすいでしょ?」
楠『・・・いいだろう。』
二人の戦いが始まった。
鳥「うーん。」
鳥束は目を覚ます。
目の前には大きな猫の装置に乗った空助とそれを避ける楠雄の姿があった。
鳥(なんだあの穴・・・あの人がやったのか!?)
楠雄を攻める空助にすげえと興奮する鳥束。
さりげなく周りを見渡す鳥束。
鳥「えっ。」
壁には大きな穴が開いていたが、鳥束の周りの壁は傷一つついていなかった。
鳥「さ、斉木さん・・・。」
空「どうしたんだい楠雄!さっきから避けてばっかりじゃないか!!」
これで最後だとボタンを押そうとする空助。
鳥「楽しそうな事やってんじゃないっすか、俺にもやらせてくださいよ。」
楠『やめろ鳥束・・・。』
鳥束は驚く空助の隙を見て制御装置を取る。
鳥「斉木さ!」
鳥束は急に倒れる。
空「ただの筋弛緩剤だよ。君がこう来るのも想定していたからね。」
鳥束の手から制御装置が転げ落ちる。
空「僕があらゆる洗脳を試みても、最後まで楠雄を本気で憎む事が出来なかった時からね。」
そういいながら落とした制御装置を拾おうとする空助。
しかし、その前に楠雄が拾う。
空「な、何故普通に動ける!!力の制御が効かない上、体力も残りわずかなはず・・・ま、まさか!」
楠『やっと気がついたか。そう、体力が残りわずかになったんじゃない。わずかにしたのだ。強すぎる力を抑える為にな。』
空「そ、そんな馬鹿な。」
落ち込む空助の前に立つ楠雄。
楠『これでいいだろ。』
そう言うと右の装置を外す。
空「えっ。」