楠雄夢小説 ★完結★
□戦い
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楠『佐能さん・・・。』
蛍「・・・。」
蛍は黙って楠雄を攻撃する。
楠(くっ、マズイぞ。今僕は制御装置をつけていない。制御装置をつけている佐能さんの何倍も上だ。)
楠雄は蛍の攻撃を避けていく。
楠(もし反撃してしまったら・・・佐能さんを傷つけてしまう。)
空「そうさ楠雄。黙って右の装置を抜かれないと、蛍ちゃんはどうなる事やら。」
楠(くそ、どうする!思考が読めないから次何を仕掛けてくるのか・・・。)
油断してしまったのか蛍の攻撃をくらい壁にめり込んでしまう。
楠『くっ。』
空「いくら制御装置をつけていようと楠雄と同レベルの・・・いや、もしかしたら左脳が鍛えられている分楠雄よりも上かもしれない。そんな蛍ちゃんの力で殴られ続けたら負けちゃうよ。さぁ、どうする。」
楠(久しぶりだな、痛いという感覚は。)
蛍「斉木楠雄・・・斉木空助の敵・・・。」
そう言って蹴りをくらわす。
楠雄はそれを受け止めるが再び吹き飛ばされてしまう。
楠『ぐっ!』
パラパラと瓦礫が落ちてくる。
楠(あの制御装置に操られてるに違いない。あれを壊すしか・・・。)
しかし、あの制御装置をつけた時の嬉しそうな蛍の顔が思い浮かぶ。
楠(・・・くそ!)
今の状態で制御装置に触れるということは壊すということだ。
楠雄は悩んだ。
すると目の前に瞬間移動してくる蛍。
楠『しまった!』
やられる!!
そう思った時、蛍の拳は目の前で止まる。
空「そんな!!完全に脳を支配されているはず!」
楠雄は閉じた目をゆっくりと開ける。
すると、蛍は涙を流していた。
蛍「さ、斉木くん。」
楠『佐能さん!』
蛍「お願い。私を倒して・・・今のうちに。」
楠『そんなこと出来るわけないだろう!』
蛍「もう・・・斉木くんを・・・傷つけたくない。」
しかし、再び拳を強く握り振りかぶろうとする。
蛍「は、はやく!!体が・・・勝手に。」
楠雄はゆっくりと立ち上がり、蛍を優しく抱きしめた。
蛍「な、何をして!」
楠『佐能さん・・・僕は・・・君のことが好きだ。』
蛍「えっ。」
楠『だから、君の涙を見るのは辛い。』
蛍「・・・。」
楠雄は蛍の制御装置を壊し、催眠をかける。
楠『だから、その涙の原因を僕は倒してくる。』
蛍「・・さい・・・きくん。」
蛍はゆっくりと目を閉じた。