アーロン夢小説 ★完結★
□旅立ち
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ティーダは母親の言っていることに疑問を持ったのか、質問してくる。
テ「ナギ節って何?」
ル「ナギ節は『シン』がいない期間の事。召喚士が『シン』を倒してから、次の『シン』が現れるまでの期間よ。」
テ「あー。」
ティーダは納得する。
ユ「『シン』は・・・生まれ変わるの。」
テ「そーか!変だと思ってたんだよな。ユウナのオヤジさんが十年前に『シン』を倒したんだろ?」
皆は黙って聞いていた。
テ「それなのに、まだ『シン』がいるのはどういうわけだ?ってさ。」
なるほどねぇと考えるティーダ。
テ「でもさ・・・『シン』が生まれ変わるのを知ってて」
ユウナはティーダの話をさえぎる。
ユ「それでも『シン』を倒すのは無駄・・・なんて言わないでね・・・。」
ティーダはあっ!と、言った言葉を後悔したような表情を浮かべる。
ユ「例えどんなに短くても、『シン』に怯える事なく安心して眠れる日々。何者にも変えられない、大切な時間を生み出す事。それを・・・無駄だなんて言わないで。」
テ「あ・・・ごめん。」
ユ「・・・ううん。わかってくれればいいの。」
ル「・・・行くわよ。」
ルールーは先に歩く。
それに続く一同。
マ(やっぱり・・・辛い旅だなぁ。)
ルカの時のルールーの言葉を思い出す。
体力だけでなく、精神的に辛い旅。
ユウナの命がかかっている重い、重い旅。
覚悟していたはずなのに。
マリアは色々考え、再び気合を入れる。
しばらく歩くと前に大きな荷台が停まっていた。
再び動いたと思うと、道のはじの方に停めて男性二人がでてくる。
どうやら休憩しているようだ。
「おい!」
その男性はティーダを呼んでいるようだ。
マ(あ!ルッツとガッタ・・・だよね?本物だー!)
マリアは少しテンションがあがる。
ア「なんだ、知り合いか?」
マ「あ、いえ。私は知り合いではないです。討伐隊の方で・・・。」
ア「ほう、討伐隊か。」
ガッタはティーダに話しかける。
ガ「おう!試合見たぞ!俺感動しちゃったよ!」
ルッ「よかったな!ワッカ!」
ワ「おう!こいつのおかげよ!」
テ「ワッカだって頑張っただろ!」
その時、先ほどのチョコボ騎兵隊がチョコボに乗ってくる。
エルマ「何サボってるんですか?」
ガッタとルッツの肩がビクッとする。
ガ「それは・・・えーっと・・・召喚士様の御一行が・・・」
言い訳をしようとしていたが、ルチルは何もかもお見通しのようだ。
ルチ「余裕があるのは結構だが、作戦準備は一刻を争う。わかるな?」
マ「お、おお。」
ルチルの目は誰が見ても怒っていた。
ルッ「はっ!申し訳ありません!」
ルチ「よろしく頼む。」
そう言うと騎兵隊は再び街道を歩き出す。
ルッ「なっ!素直に頭を下げといた方が上手くいくんだよ。」
ルッツは世渡り上手のようだ。
ガ「なるほど・・・。」
その返事に皆は笑い出す。
ルッ「ユウナちゃん。俺たちは寺院から破門されたけど・・・いつでも、あんたの事は応援している。それだけは変わらないからな。」
ルッツの言葉はとても暖かく感じた。
ユ「ありがとう。ルッツさん、ガッタ君。でも、もしできる事ならこのままビサイドへ帰って・・・」
ユウナは戦場へ行く友人が心配のようだ。
ガ「急ぎましょう!先輩!」
ルッツとガッタはユウナの言葉を聞き入れず、荷台を連れて行ってしまった。
ユ「・・・。」
落ち込むユウナ。
テ「大丈夫だって!あいつらが簡単にやられるわけないだろ!」
ユ「そう・・・だよね。うん!わかった!」
ユウナは再び歩き出す。