アーロン夢小説 ★完結★

□スピラへ
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かなりの時間アーロンとティーダを待ったがなかなか姿を現さなかった。
来るとわかっているマリアでも、来ないのかと思うくらいだ。

ワ「あいつここに残るのかな?」

ワッカが話を切り出す。

ル「アーロンさんと知り合いなんでしょ?確かに知り合いと会えたわね。」

ユ「でも・・・ザナルカンドに帰れるのかな。」

ワ「どっちにしても、寂しくなるな。」

どうやらティーダはみんなにとって必要な存在のようだ。

ユ「まだ、街にいるよね?私挨拶してこようかな・・・あ!!」

ユウナのその声に振り返るとアーロンとティーダの姿があった。

ワ「おお!」

ユ「アーロンさんも?」

ワッカ、ルールー、ユウナはアーロンにお祈りのポーズをとる。

ア「ユウナ。」

ユ「はい!」

ア「今この時より、お前のガードをつとめたい。」

ユ「えっ?」

ワ「マジですか!?」

マ(そりゃビックリするわな。)

ア「不都合か?」

ユ「いいえ!ね?みんな良いよね?」

ユウナはみんなの顔を見て言う。

ワ「当たり前っす!文句なんかあるわけないっす!」

ワッカはなんだか嬉しそうだ。

ル「でも、何故ですか?」

ア「ブラスカとの約束だ。」

ユ「父が・・・そんな事を。」

最後の最後までユウナの心配をするとはさすがブラスカである。

ユ「ありがとうございます。よろしくお願いします!」

ペコっとお辞儀をする。

ア「それから・・・こいつを連れて行く。」

アーロンは先ほどから後ろでイジイジしているティーダの腕を取り引っ張りだす。

テ「・・・ども。よろしく。」

マ(ああそうか。もうシンの事アーロンさんから聞いたんだっけ。)

ア「こっちはジェクトとの約束だ。」

ユ「ジェクトさんはお元気なんですか?」

ア「知らん。十年前に別れたきりだからな。」

ユ「そう・・・ですか。」
ユウナはガクッと落ち込む。

マ(本当の事、今言えるわけないもんね。)

ア「そのうち会えるさ。」

ユ「はいっ!楽しみにしてます。」

マリアはガードにしてくれと言うなら会話が途切れた今しかないと、みんなに話しかける。

マ「あ、あの。」

ア「そうだ、マリア。お前もついてこい。」

マ「へ?え?」

ガードにしてくれと言おうとした矢先、アーロンから来いと言われ少しパニクる。

ア「ジェクトとの約束なんだろう?」

マリアはユウナ達と一緒に旅をしろというジェクトの声を思い出す。

ユ「え!ジェクトさん!?いつ会ったの!?」

マ「あ、いや・・・じゅ・・・十年前の話・・だから。」

マリアはシンの中だとは言えず話しをごまかした。

ワ「十年前って、お前何歳なんだよ。」

マ「え、二十歳です・・・けど。」

ル「じゃあ、私たちとさほど変わらないわね。」

ユ「で!ジェクトさんはなんて言ってたの?」

ユウナはどうやらジェクトの話が聞きたくて仕方がないようだ。

なんと言えば良いのかわからず、悩んでいると声が聞こえる。

「・・・おい!おい!」

どこから声がするのかキョロキョロしていると、目の前にはジェクトの姿があった。

マ「ジェクト・・・さん!?」

マリアはみんなに見られる!と思ったが、周りを見渡すとどうやら時は止まっているようだ。

ジ「たっく。面倒な嘘ついてんじゃねえよ。」

マ「だってアーロンさんがジェクトさんとの約束だろ?って言っちゃうから・・・。」

ジ「まったく、アーロンめ。余計な事を。」

マ「で、どうしましょう。」

マリアは焦りながら言う。

ジ「仕方ねえから・・・ほれ。」

ジェクトが差し出したのは、ジェクトの胸の刺青と同じデザインの指輪だ。

ジ「これつけろ」

マ「え、でもこれ・・・いいんですか?」

ジ「ああ。ブリッツボールやってた時のグッズだしな。」

マ「あ、ありがとうございます。」

ジ「ちなみに、右手中指につけると魔除けになるらしいぜ。」

マ「へぇ、そういうのお詳しいんですね。」

マリアは右手中指に指輪をつける。

ジ「そんで、『私の能力をみてぇ、もし今後息子が旅に出たら力を貸してやってくれって言われたんですう』とでも言っとけ。」

ジェクトは馬鹿にしたような感じでマリアの真似をした。

マ「なっ!そんなアホな喋り方してません!!」

ジ「はっはっは!まぁ、そばにいてやってくれっていうのは嘘じゃねえしな。」

ジェクトはティーダを背に見ようとしない。

マ「ジェクトさん。ティーダの事、みてあげないんですか?」

ジ「・・・まぁな。いつかの時のためとっとくわ。じゃあ、ヘマすんなよ。」

そう言うとジェクトは消えていった。
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