土方夢小説

□素直な気持ち
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手を繋ぎ歩く2人。

琴「あ、あの。」

土「・・・なんだよ。」

右手は土方の温もりを感じる。

琴「その・・・デートって・・・。」

土「・・・あの2人とはできて、俺とは出来ねぇってか?」

琴「そ、そういう意味じゃなくて・・・。」

土「ならこっちに来い。」

土方が連れてきたのは屋台のようだ。

「おっ!土方さん!今日はデートかい?」

琴「そ、そんなデートだなんて!」

土「・・・あぁ、そうだ。」

「えっ。」

からかったつもりで言ったオヤジ。

まさかの返事に言葉が出てこない。

「ほ、本当にデートなの?」

土「だからそうだって言ってんだろ。」

「そ、そうなんだ・・・とりあえず何か飲むかい?何がいい?」

土「俺はビール、お前は?」

琴「じゃ、じゃあ私もビールで。」

「は、はいよ。」

お通しを食べ、酒を飲んでいく2人。

琴「これ美味しい!」

「おっ!わかってくれるかいお嬢ちゃん!」

琴「はい!私こういうお店に来たの初めてです!」

「そうかいそうかい。喜んでくれておじさん嬉しいよ!」

土「ならあれ食った方がいいぞ。」

琴「あれ?」

土「おいオヤジ、モツ煮くれ。」

「はいよ!」

モツ煮が出てくる。

琴「本当だ!美味しい!」

土「だろ?」

琴「はい!」

ニコッと笑う土方に満面の笑みで返事をする琴。

そんな2人を見てオヤジは微笑んだ。

土「卵焼きも上手いんだぜ。」

琴「じゃあ、卵焼きもください!」

「おう!」

2人は何気ない話をし、オヤジの美味しいつまみを食べ、酒を飲む。

土方と飲む酒は一番美味しく感じた。









屋台を後にした2人は酔い覚ましに外を歩く。

土「こっちだ。」

手を繋ぎ案内されたのはかぶき町が一望できる公園だった。

琴「すごい綺麗・・・ふふ、銀時くんのとは大違い。」

昼の公園を思い出す琴。

土「ここに座れよ。」

土方は先にベンチに座っていた。

そして、土方の横に座る。

土方はフーッと大きく煙を吐き、タバコを消した。

土「琴。」

琴「なっ、なんですか。」

土方と目があう。

心臓はドキドキして顔は熱くなる。

土「・・・俺も、お前が好きだ。」

琴「えっ。」

土「・・・一目惚れだった。お前を見た瞬間、お前の事が頭から離れなくなった。」

土方の頬は赤く染まっていく。

土「琴と話すようになって・・・色々あったが、それも含めてどんどん惚れてった。」

琴「土方さん・・・。」

土「あの2人じゃなくて、俺と・・・付き合ってくれ。」

そう言って手をキュッとにぎる。

土「返事はすぐじゃなくてもいい。お前の気持ちが固まるまで、俺は待ってる。」

琴「・・・わ、わかりました。」

恥ずかしそうに下を向く琴。

その頭をわしゃわしゃと撫でて立ち上がる。

土「さぁ、帰るぞ。」

琴「・・・はい。」

再び手を繋ぎ歩き出した。
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