楠雄夢小説 ★完結★

□日常
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そろそろ夏休み、部活動の合宿や旅行など予定を立てる人が増えてきた。

鳥「あっ!蛍ちゃん!!」

廊下で話していると鳥束が近づいてくる。

鳥「オカルト部で合宿するから、8月の1日2日空けといてくれる?」

蛍「うん!わかった!」

鳥「よし!あとは斉木さんだけっすねー!どこにいるか知ってる?」

蛍「確かあっちの方で立ってたと思うけど・・・来てくれるかな?」

鳥「大丈夫!俺が必ず連れて行くから!」

じゃあと言ってそっちの方へ走って行く。

そして合宿当日。

嫌そうな顔をしてやってくる楠雄。

鳥「あっ!遅いっすよ斉木さん!!」

楠雄は怒りを込めて鳥束の頬をつねる。

鳥「いてててて!!」

鳥束は頬をさすりながら自分が下宿している寺を案内する。

そしてその日の深夜。

肝試しをする事になったオカルト部。

鳥「ペアはこんな感じっすかね!」

勝手に鳥束は万城乃を、夢原は海藤を選ぶ。

蛍「じゃあ、私は斉木くんと・・・だね。」

楠『・・・そういう事になるな。』

夢「ん?」

万「ちょ、ちょっと待ってください。私斉木先輩がいいんですけど。」

理由は海藤だと頼りないし、鳥束は生理的に無理なので消去法らしい。

海「お、俺も斉木とがいいんだが・・・。」

海堂は女子と一緒だと緊張するので斉木とがいいらしい。

仕方がないのでクジで決める事にした。

鳥《斉木さん!蛍ちゃん協力してくださいっす!》

蛍《・・・仕方ないなぁ。》

2人は鳥束に言われた通りクジを引き再びペアになった。

そして、今度は夢原が引きその後に万城乃、そして鳥束がクジを引く。

海「えっ俺は?」

そんな言葉を無視し、万城乃とペアを組むため同じ長さの箸を引く。

鳥「あ、あれ!?」

しかし、引いてしまったのは夢原と同じ箸。

どうやら斉木が言いなりになるのが嫌だったらしく、箸の時間を戻したようだ。

夢(うう。なんでこうなるなのよ。)

海藤と組みたかった夢原はがっつり落ち込む。

蛍「ちょっと可哀想じゃない?」

楠『夢原さんには悪いが、あいつの言いなりになるのもシャクに触るからな。』

2人の後を追いながら話す。

しかし、2人は徐々にいい感じになって来てしまう。

蛍「あ、あれ?」

楠『恋愛脳同士は進展が早いな。』

しかし、急にイノシシが出てくると驚いて一人逃げ去ってしまう鳥束。

夢「ええ!?」

夢原の悲鳴に海藤と万城乃が走ってくる。

海「大丈夫か夢原!!」

夢「そ、そこにイノシシが!」

海「うっ・・・あ、あっちに行け!!」

海藤が大きな声を上げるとイノシシは森の中へ帰って行った。

海「ふぅ・・・もう大丈夫だぞ。」

夢(海藤くん・・・やっぱり素敵!)

夢原は目を輝かせる。

海藤は両手に花の状態で前に進んで行く。

蛍「無事に元どおりだね。」

楠『あんなダメ人間に惚れたら一生の終わりだからな。』

すると、蛍は木の枝に引っかかって転びそうになる。

蛍「うわっ!」

それをキャッチする楠雄。

楠『大丈夫か?』

蛍「う、うん・・・ありがとう。」

2人は顔を赤らめる。

暗くて見えなかったのが幸いだ。

そして、合宿最終日。

オカルト部を解散したあと、夢原は蛍を喫茶店に誘う。

夢「ねぇ!」

蛍「な、なに?」

目を輝かせる夢原に一歩引く。

夢「蛍って斉木くんのこと好きなの!?」

突然の質問にむせてしまう。

蛍「ど、どうして!?」

夢「だって斉木くんを見るときの蛍すっごく乙女って感じだもん!」

蛍「あ、いや・・・そのぉ。」

夢「あーあ。でも、どっちを応援すればいいか、わからなくなっちゃったなぁ。」

蛍「え?」

夢「あ!な、何でもないの!」

おそらく照橋の事を言っているのだろう。

蛍「・・・心美ちゃんのこと?」

夢「え!?知ってたの!?」

蛍「知ってたって言うか・・・何となくそうなんじゃないかなって。」

夢「そっかぁ・・・まぁ、確かにわかりやすいかもね。」

蛍(知予もわかりやすいけど・・・。)

そう思いながらコーヒーを飲む。

蛍「わ、私・・・別に斉木くんのこと好きじゃないよ。」

夢「え?」

蛍「・・・そろそろ帰らない?昨日遅くまで肝試ししてたから疲れちゃって。」

夢「う、うん。そうだね!」

明らかに元気が無くなった蛍を心配そうに見る夢原。

夢(蛍・・・心美の為に諦めようとしてるんだわ。)

しかし、かける言葉が見つからずそのまま別れた。
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