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□誘惑と葛藤と、
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でも、大事な恋人を無理やり襲おうなんてそんなことは絶対したくない。


それに、キヨを寝込みを狙って無理やり襲うなんてことしたらあとが怖い。






でも、ちょっとだけならいいよね……。





「ごめん」



罪悪感を少しでも消すようにそっと呟く。


まず、キヨのふわふわの頭を撫でた。すると心なしか気持ちよさそうにキヨが頬を緩めた気がする。



それを見て、キヨの唇にそっと口を付けた。



どんな表情をしているかを確認したらすぐに顔を離そうと思って、目を開ける。




「……っ!?」




キヨの目がぱっちりと開いていて、自分の目を捉えていた。




ばれた、やばい。




そう思ってすぐ様口を離そうとすると、キヨに頭を押さえつけられる。



「んっ、!?」


「ん…ふぅ、は…ぁ」



驚いて開けた唇にキヨの舌が入ってくる。俺の舌を求めるように動かしてくるので、負けじと俺も舌を動かした。



正直、この状態を理解しきっていない。なんでいつもはキスを恥ずかしがるキヨが、自ら舌まで入れてきて口内をまさぐっているのかわからない。



「っはぁ、」



互いの唇が離れる。



「キヨ、寝ぼけてるの?」



「ちげーよばーか」



理解が出来なさ過ぎて口から出てきた問いかけを即答され、さらに罵倒もついてきた。




怒ってる……。
やっぱり、無理やり襲おうとしたから…?















「なんでお前、なんもしてこねーの……」




どう謝ろうと考え始めた俺に、キヨはぼそっと呟いた。




え? と訳がわからず首をかしげると、相変わらず怒ったような低い声で話し出す。




「恋人が目の前で無防備に寝てんのに、なんでキスだけなの。俺、そんな魅力ないの? フジは俺のこと好きなんだよな?」




若干泣きそうな目をしているのは気のせいではないと思う。



段々と目尻に涙を貯めていって、ついに涙を流したキヨは困惑する俺を目の前にこう言った。





「期待してたのは、俺だけ、かよ……」




「キヨ……」





そんなわけがあるはずなかった。





俺も期待はしていたし、先程のキスだってキヨの無防備な姿に我慢が出来なくなったからだ。
もちろんキヨに魅力がないなんてそんなわけない。ありすぎて困るくらい。




色々と言いたいことはあったけど、でも俺はもう理性の限界だった。





口付けをして、キヨの胸元に手を滑り込ませる。唾を飲む音が聞こえて、キヨも緊張してるのかな、なんて思った。




キヨがその気なら、もう遠慮は要らない。
唇を離して、キヨの顔を伺う。胸の突起をつん、と指を弾けば、ぴくりと身体を揺らし、目を細めて小さく声を漏らした。
その甘い声をもっと聞きたくてそこをたくさん刺激する。




「っあ、フジ…ッ」



名前を呼ばれることさえも、甘い声によっていつもと全く違うように感じる。
愛おしい。ひたすらにキヨが愛おしくて、ついに下半身に手を伸ばす。



「キヨって意外に淫乱なんだね」



「ぁ…うっせ…!」



突起への刺激によってか、ジャージ越しに主張するキヨの自身を撫でて、そう言えば、顔を歪めて言葉を吐いた。まだ、余裕があるんだろうか。




「あっ、待って……や、ぁッ」




パンツごと一気に下ろし、自身を直接扱いてやる。待って待ってと言いながらも甘い声をもらし続けるキヨに、俺ももう限界だった。




「ごめんキヨ、指、入れるね」



「はやく、しろ…」




弱々しくも睨みつけてくる。キヨのことだから、強がってるのかもしれない。
俺も初めて触る後孔に、ゆっくりと指を沈める。痛くないようにキヨの自身から出た先走りを塗りたくった。




そこで、俺は違和感に気付く。






「なんか、緩くない……?」






キヨのソコは、初めての割にすんなりと俺の指を受け入れる。
初めてって、もっときついって聞いたんだけど。





「キヨ、初めて、なんだよね?」





何だか嫌な予感がして、行為を一旦止めて聞いてみる。キヨは相変わらず俺を睨んで、





「……あたりまえだろ」




「え、何今の間」





そう言うとキヨは黙ってしまう。



もしかして、初めてじゃないのだろうか。他の男と付き合ったことがあるのだろうか。



それでも今は俺と付き合っているけど、でも今まで男と付き合ったことがあるなら一言でも言って欲しかったなあ、と思う。






しばらく黙ってしまっていると、キヨが口を開いた。
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