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□奪ってしまえ。
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「わっ、キヨくん寝癖やばない?」
「いやいやこれオシャレだから」
ケラケラと2人分の笑い声が聞こえる。
片方は最近仲良くなった友人のレトさんと、もうひとりは俺の片思い相手、キヨだ。
なんで俺がキヨに片思いしてるかってわかるかというと、キヨとレトさんはいわゆる恋人だから。
ほんと妬ける。
「やーでも驚いたわ。フジくんも来てたなんてな」
今日は俺とキヨで実況を録る約束をしていた。
朝早くから浮かれてキヨがまだ寝ぼけてる時に此処に到着した。もちろん此処はキヨの家だ。
そこに、レトさんがサプライズで来たわけなんだけど……。
もう、俺の楽しみを邪魔しやがって……。
レトさんとは仲がいいし一緒にいても楽しいから別にいいけどさ。
なんか、イチャイチャを目の前で見せられてる気がしてさっきから嫌な気分。
「せっかくだし3人で実況録ろうぜぇ!」
「おー、いいな」
ということで俺も渋々承諾し、3人で実況を録ることに。
相変わらず仲が良すぎる2人にずっと俺はもやもやしていたけど……。