□“国宝級”一振り1億円の技!
1ページ/8ページ

……食林寺が美食會に堕ちた千代たちに襲われるが、瑞貴が呼び出した玄武により建物もシュウも守られているおかげで無事である。大竹の攻撃を受けた小松は無傷であった……それは人間界では禁じ手の技術! 大竹は自分がグルメ界にいることを告げる。

そして珍師範が駆けつけ、千代に戦いを挑むが劣勢を強いられる。するとバブルウェイから帰ってきて食義を極めたトリコが、その圧倒的な強さでゴーレムを倒す。

しかし、珍師範が千代に完膚なきまでに叩きのめされてしまった!



☆☆☆☆☆


「ぐっ、ぐおおっ……!」

「師範!」

「れ、冷静になれ……トリコ……!」

「!」

「決して…感情的になっては…ならぬ……! 食義が…乱れるからのう……」



……珍師範はまだ息絶えていないとわかったトリコが駆け付けようとしたが、それは逆に感情を高ぶらせていると気づいた珍師範がそれを止めて告げたのだ。トリコが自分の名前をハッキリと呼んでくれたのだと気づかないほど、掠れつつある声なのにとても真剣に、自分の二の舞にさせないように。


「ヒッヒッヒッ。あんたは揺らいじまったからねぇ。それに食義が乱れちまって……全く意味ないのう」

「ムリも……ないじゃろう……。千代婆…お主が美食會に寝返った訳を聞けばのう……!」

「……だったら!」


ドガンッ!!


千代は歪んでいた笑顔にますます顔をしかめると、もう一度大きくジャンプして両足で珍師範を地面深くに叩きつけた。


「黙って死んでおれ! 食義を冥土の土産に持ってな……」

「ああっ……!」

「師範……!」

〈あの婆さんはえげつないことするのだな……!〉


本当にかつてコンビを組んでいたのかと思えないくらい、千代は珍師範に容赦がなかった。その光景に小松とシュウは悲痛の声を上げて、玄武ですら眉をしかめていた。

その当の本人である千代は今、トリコと対峙している。


「美食屋・トリコ。食義を受け継いだお主も今の内に――消しておくかのう」

「…………」
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ