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□剛力無双!
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……美食會に堕ちた千代が食林寺へやってきた。シュウを引き連れ珍師範から食林寺を任された瑞貴はただ一人立ち向かい、四神の一つ・玄武へと姿を変える。
一方、珍師範と共にバブルウェイにいるトリコは食没を習得、シャボンフルーツの捕獲に成功。
小松は、大竹と久々に再会し喜ぶ。だが――小松は『お別れが、言えるからな』と告げる大竹の黒い包丁により体を貫かれてしまった!
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(なんなんじゃ、この化け物が持つオーラは……! この世のものとは思えん力が備わっておる……まさか本当に神とでも言うのか!?)
……千代も強者だからこそ玄武の強さをすぐに感じた。マトモに戦えば負けるのは自分かもしれないとも思える。
「珍ちゃんは……珍ちゃんはどこかえ!?」
〈姫と同じ質問をするのではないのだ。いずれここに現れる……自分のやるべきことはこの場を保(モ)たせることなのだ〉
「……うしろの状況を見てもそう言えるかえ?」
「っ!?」
千代が示した先を玄武の代わりにシュウが見ると、小松が大竹に刺されている姿があった。
「竹ちゃん……どうして……!?」
「小松さん!」
シュウはすぐに助けに向かわねばと、二人の元へ走り出そうとするが……。
〈待つのだ。そこのワッパ〉
「ワ、ワッパ? いやしかし、小松さんが刺されて――」
〈確かに刺されはしたが……――あのワッパは無事なのだ〉
「えっ!?」
〈そして――〉
ピシャンッ!
「ぐううっ!」
〈あのワッパたちに目を向け自分たちの気を逸らして攻撃するなど甘いのだ。自分はそんなに手に通用しないのだ〉
大竹とすかさず攻撃に向かおうとした千代だが、蛇の口から放たれた雷撃により体が麻痺してしまった。それを見たシュウは玄武と千代からもう一度二人を見ると、大竹がゆっくりと小松の体から包丁を抜く。
「えっ……――っ!」
「どうかしたか?」
「ない……傷がない! 痛みもあったのに……!」
小松は刺された個所を服の上から探ってみた。確かに貫かれたはずなのに出血どころか全く傷がないのだ。