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□食林寺に守護神現る!?
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……バブルウェイでは力尽きて倒れたトリコの脳裏に、走馬灯のように次々と自分の仲間が浮かんでいた。
(すまねぇ…小松……。ココ…サニー…ゼブラ…リン…一龍の会長(オヤジ)……。瑞貴……お前にこの想いだけでも…早く…伝えるべきだった……。たぶん…俺は……――死ぬ)
様々な未練と後悔もあったが、トリコは自分の命が尽きるときを察知していた。
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巨人は私のうしろにいるシュウさんを見つけると、手始めにと思ったのか彼に標的を変えた。
〈ヴァアァァアアア!!〉
「クッ!」
ガキンッ!!
「えっ……」
「シュウさんにも守護結界がかかっております。あの程度の攻撃じゃあヒビすら入りませんよ」
「瑞貴さん……」
〈ヴァ…ヴァアァァアアア!!〉
「あんたは邪魔」
バンッ!!
シュウさんに攻撃できず巨人は再び私へ襲いかかろうとしたけど、私が振り払うように手を振れば巨人は壁に叩きつけられるくらい吹き飛んだ。もちろん守護結界を張っているので食林寺自体に被害はない。
さっきの爆炎乱舞の威力は格段に上がったし、技を出すこともなく吹き飛ばすことができた。それも薙刀を使わずに。これが修業成果……そして食義の力!
「ヒッヒッヒッヒッ。ゴーレムを吹き飛ばすとはやるではないか……」
……巨人――ゴーレムは倒されず気絶している。千代は前に合わせている袖口の中から、キラリと光る包丁を構えようとしていた。