□食林寺に守護神現る!?
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それならと私はブレスレットにさらなる力を溜めた。食林寺の修業のおかげで、私は感情を暴走させることなく、この人間界で呼び出すことができると確信できる……それにこれなら確実に食林寺を守れる!


『我を呼び出すか』


うん。これで食林寺やシュウさんにかけた守護結界の力は倍増するし、一番は千代さんが戦意喪失してくれたら助かるんだけどね……お願い、玄武!


パアアァァアアア――!


「「?」」」


……突然瑞貴の全身に光が放たれて千代もシュウも目を見開いたが、次いで千代はニヤリと笑う。


「ヒッヒッヒッヒッ。これが報告にあった力……あやつが化け物に変わる力か!」

〈化け物とは、些か気に障るのだな。他の世界では自分は神という象徴でもあるのだ〉


その声が聞こえた同時に光が止み、現れたのは蛇を身に纏いゴーレムよりは少し小さくとも巨大な亀がそこにあった。


〈自分の名は玄武。姫の望みによりこの場に参られたのだ〉


瑞貴が玄武に変わった中で大竹は小松の前に立っていた。小松は玄武の姿より、目の前にいる大竹のほうに驚いて目を見開く。


「竹ちゃん……? 竹ちゃんだよね? やっぱり!」

「…………」


大竹の姿はずいぶん変わったが、長年共に修業した小松が見間違えるはずがない。最後に会ったときはケンカ別れのようになっていたため、負い目を感じていた小松は涙を流す。


「あっ…うっ…よかった無事で……! あんな風に別れたきりになっちゃって……連絡も取れなくて……ずっと心配してたんだよ……!」

「俺もだよ、小松」

「!」

「生きてまた……会えてよかった。――お別れが、言えるからな」

「あっ……」


小松は大竹の持つ、漆黒で夜空の星のように煌めく包丁により胸を刺された……。久しぶりの再会は時に嬉しく、時に残酷なモノになってしまった。
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