BOOK MHA/HQ

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今日の授業はヒーロー科と合同で行うらしく
しかも午後2時間使うほど大掛かりなものらしい
こっちは制服のまま、ヒーロー科はコスチュームでずらりと並んでいる


「普通科のアシスト授業に付き合ってもらいます」


アシスト授業とは、簡単に言えば地形の利点や、周辺状況
現場にいるヒーローに無線で伝えて、より優位に事を運ぶ
その連携力を試される授業

2時間続きの長期戦のため
不公平のないよう、ペアはくじで決める
なるべく個性の内容とか、身体能力を知ってる人の方がいいな


『あ』


紙にかかれた名前は 上鳴電気 フットワークは軽い
性格大雑把、フレンドリー、たぶん名前からして、電気系の個性


「俺のペアは出流ちゃんかー、よろしく!」

『こちらこそ!それで個性の質を聞きたいんだけど』


ふむふむ、放電と電波、特定の場所への放電は出来ない
いわば、周りを全部巻き込むタイプ
本人には電気はきかない
うーん、よし、把握した


『相手は誰か教えてもらえないから、見かけたら通信でどんな個性か言って。敵側は隠れる、ヒーローは探し出す。どっちになっても、そんなやる事は変わらないから、安心して任せてね』

「おー何だか頼もしいな」


私は指定されたPCの前で、ヘッドセットをつける
あーあー、電気くん、聞こえますか
よし、あそうそう


『演習中は時間短縮のため、名前呼び捨てにするからよろしく』

「了解!んじゃ俺もそうさせてもらうわ」

『今回私たちは敵側だってさ』

「ヒーローじゃねぇのか」


頭上カメラからの映像と、3D映像を見比べて
相手を先に探し出したいところだけど


『電波使って、相手の場所を探すことはできる?』

「出来ない」

『了解、たぶんこれから先の応用で、出来る可能性もあるから、断定は良くないぞー』


相手の位置を予想、こっちは隠れて時間まで逃げきれればいいけど
動かない選択肢は、電気くん的にはないだろうし
見つかるだけなら、負けにはならないし、逃げきればいいんだ






「勝者敵チーム!」

「『いえーい』」


ヒーローに見つからず、街中にあるチェックポイントを回収して
ゴールに向かった
1回、ヒーローを見かけ、交戦するかな?と思ったけど
上手く土地の利便性を生かせて良かった


「土地の状況とかしれて、ちょーやりやすかった。サンキューな」

『こちらこそ、お疲れ様でした、電気くん』


戻ってきた電気くんとハイタッチを交わして、他が終わるのを待って次のペアを決める
最初は電気くん
次は手がいっぱいある人
出久と組めないかなーとか思うんだけど
中々ペアにはなれないな
多分時間的に、次が最後だけど


「最後は好きにペア組め」


好きにって言っても、基本的に普通科とヒーロー科ってあんまり接点ないし
どうやって組むんだろうか
やりやすかった人に集中?
気になる人に集中?
電気くんは、まず好みの子に声……うんかけてるね


「出流」

『出久』

「僕と組もう」

『それ、私も考えてた。どうせなら相手も指定したいよね。できるとしたら、誰がいい?』


出久は、腕を組み、右手で下くちびるをなぞる
考え事する時の、出久の癖
じっくり考えてくれ、誰とやりたいか
考えなくても答えは分かるけどね


「僕は」

「『かっちゃんとやりたい』」


ほーら、双子のシンパシー




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