BOOK MHA/HQ

□08
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昨日からお母さんが体調悪くて、お弁当無理しなくていいよって言ったら
ごめんねって言いながら、ベットに潜り込んだ
私が変わりに作ってもいいけど


『どうする?出久』

「ランチラッシュのお昼御飯、気にならない?」

『すっごく気になる!』


という事で、今日は初めて食堂に行ってみた
出久はクラスメイトと一緒に行くって言ってたから
私もクラスメイトを誘ったんだけど


「席開いてないね」

『私し向こうの席で食べるから、気にしいなくていいよ』

「でも」

『いいって、次は一緒に食べようね』


一人開いている席に座って、ランチを楽しむ
お母さんのお弁当も好きだけど、ランチラッシュのご飯もおいしい
一人で食べてる人も少なくないし
スマホでヒーローニュース見ながら食べれるから、案外一人って楽でいい


「隣、いいか?」

『あ、どうぞ』


いつの間にか隣の席が空席だったらしく、声掛けてく座るなんて
すごく礼儀のいい人だと思ったら
白と赤が見えた


『轟くんだ』

「緑谷妹、一人か?」

『友達と来たんだけど、席なかったから』


隣に並ぶお盆には、ざるそばが1つ乗っていているだけ
てんぷらとかもあったと思ったけど


『おそばだけ?天ぷらとかも美味しそうなのに』

「今日は午後動く授業ねぇからな」


そっか、そういうもんか
男子高校生、しかもヒーロー科だから、普段からすごいご飯食べてると思ったけど
そうでもないのかな
出久は最近はいつも、ご飯大盛りだけど


「そっちは何食ってんだ」

『ん?チキン南蛮。ちょっと量が多かった。あ、1つどうぞ。おすそわけ』


ざるの端っこに乗せて
私は残りをようやく食べ切れた
轟くんはおそばだからか食べるのも早いけど
まだチキン南蛮はざるの上に残ったまま


『もしかして、チキン南蛮嫌いだった?』


最後の最後まで箸をつけないところを見ると
チキンが嫌いなのか、南蛮の味が嫌いなのかな?


「いや、こうやって一口貰ったの初めてで、何かもったいねぇな、って」

『いや、取っておけないから!食べない方がもったいない!』


だよな
ようやく箸がチキン南蛮を綺麗につまみ上げて
轟君の口元へ運ばれた
美味いな
かすかに笑う轟くんに、なんだか私まで嬉しくなる


「いつもここでメシ食ってんのか?」

『今日が初めて、でもこんだけ安いし美味しいなら、毎日でもいいな!お母さん毎日お弁当作るの大変だろうし』


食器を片づけながら話をして
轟くんは、毎日食堂で食べてるらしい
いつも出久とかと一緒らしいんだけど
別に一人でもご飯は平気とみた


『轟くんは甘いの好き?』

「嫌いじゃねぇ」


そかそかと、制服のポケットをさぐって
お目当ての物をつかむ
はい と渡したのは、最近お気に入りの抹茶のミルクキャンディ


『おすそ分け第2段』

「何か、もらってばっかで悪い」

『アメちゃん1個だよ?気にしなくてもいいよ』


美味しいから食べてみて
自分の分のキャンディはすでに包装紙を破いて
口の中でコロコロと転がっている

轟くんもゆっくり包装紙を破き、口に放る


「何だこれ、うめぇ」

『でしょ!最近のお気に入りなの!美味しいよね!』


出久とお茶子ちゃんにも、渡してくれると嬉しいな!
あと梅雨ちゃんの分も!

轟くんの手に3つのキャンディを乗せて
普通科の校舎に戻る
ちゃんと轟くんにはバイバイしたよ?


「緑谷、麗日、蛙吹、これ緑谷妹から」

「出流ちゃんから?ありがとー、デクくん!後でお礼言っておいて!」

「緑谷ちゃん、私の分もお願いね。これ美味しいって人気のアメね、ケロ」

「僕これ家でもずっと食べてて、いい加減飽きる…」

「なら俺にくれないか?緑谷。こういうの初めて食ったんだが、うめぇ」




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