BOOK MHA/HQ

□03
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昼休みお弁当を机に広げようとした所で
騒ぐ女子の声
我関せず、といただきますをしようとして
また、机をノック
見上げれば治、しかもお弁当持参


「せっかくやから、一緒に食いませんか。北さんも」

「体育館行こか」

『待って、今しまうから』


モタモタする私を二人は待ってくれて、慌てて二人を追いかける
足の長さが違うから、歩く速度が速い
なんか、ほぼ軽く走ってる感じなんだけど


「(北さん、白銀さん、ひょこひょこしよって、小動物に見えてしゃーないんですけど)」

「(俺もそう思うわ)」


途中気付いて歩く速度を遅くしてくれた
たどり着いた体育館、ステージの上を陣取って、まずはお弁当を食べる
私のお弁当の唐揚げを食べたいって言うから、治に1つあげた
代わりにタコさんウインナーを貰った


『さて、まずはテーピングね』


鞄からテーピングセットを取り出して、必要な物を取り出していく
バリバリ遠慮なくテーピングを剝して
巻きなおしていく


『違和感ある?』

「今んとこ、あらへん」

『ちょっとスパイク打ってみ』


ネット張ってなくても、他の部員たちが昼練してるし
北の一言で、ボールと、場所を開けてもらった
数本スパイクを打っても、違和感はないみたい


『固まった筋肉のマッサージするから、戻ってこーい』


そのまま練習に参加しそうな治を呼び戻して
ちょっと不満げな顔いた治を、マットに寝かす
とりあえず、足だけでいいか
靴脱がして、うつぶせに寝かせて、足首、ふくらはぎ、ふとももをマッサージしていく
途中、痛いっ!って言葉は聞こえるけど、聞こえない聞こえない


『はい、終わり。もう1回スパイク飛んでみ』


さっきより、足、軽くなってるはず
スパイクを打った後、こっちを向いた治くんは何とも言えない表情だけど
あれ?効果なかったかな?


「足、めっちゃええ感じ。ほんま、ありがとう」


いい方に反応がなかったのか
ケラケラと笑いながら、はいはい、と片手を振って反応を返す
隣の北はその様子を見て


「俺も頼む」


北もマットの上に寝てもらって、両足のマッサージをして
その効果に驚いていた


SHRが終わって、それぞれみんな部活に行く中
私は荷物を持って、下駄箱に向かう
こんなに早く家に帰ってもやる事ないんだよな
無駄に夕飯が手の込んだものになるぐらい
ローファーに足を突っ込んで
さぁ、帰るかーと立ち上がった所で

行く手を阻む影2つ


『わ、ホントに双子だ。顔そっくり、身長もほぼ同じ、なんかすごいね』


宮ツインズが揃ってました
たまたまタイミング一緒だったのかなーと、思いたいところだけど
二人の視線は私に集まっているし
これで、なんの要件もないって訳じゃないだろうし


『で、ご用件は?』

「今日、バレー部の見学してくれへん?」

『見学?いや、しない』

「サム面倒やから、強制連行でええやろ。はよーバレーしたいねん」

「ツム、それ北さんに報告やからな」


子供のように抱えられて、騒ぐ間もなく歩き出す
全然理解できなくて、困った顔して治を見るけど
俺も抱っこしたい
とか言われて、全然話が通じない





「(こん先輩、細いわりに、胸けっこうあるやん)」

「(ツム、俺も抱っこしたいねんから、変わって)」

「(いやや)」




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