BOOK 十六夜

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カカシとナルト、シカマルに私
異色な組み合わせの任務
今回は風影様からの依頼らしく、大至急で風の国まで走ってる

何でも風の国は近年稀に見る日照り続きで
貯水が足りず、給水も間に合っていないとのことで
風の国の大切な子供たちを、火の国が面倒を見ることになった


「そのお迎えね」

『内容はわかったけど、なんで私呼ばれたのか全然わかんない』


ナルトは風影と友達で、シカマルは風影の姉のテマリといい感じでしょ?
カカシは、ナルトのスットパー
なら、私いらなくないか?


「5代目にも、ナギの力がバレてるってことでしょ」

『あー、あれをやれと……しかも砂漠のど真ん中で…』

「水の国には協力拒否されたらしい。あの力はそんなことに使う力じゃないって」

『砂漠でやれるほど、力のある人がいないんでしょ』


あれ とは、アメフラシの事だよね
5代目にもバレてるなら、力を使ったとしても問題はないけど
できるかな…


『ねぇナルト、風の国の人ってどんな感じ?』

「ちょっと前までは嫌いだったってばよ。我愛羅の事、化物っつーぐれぇだし」

『人柱力か』

「だけど、今はその我愛羅が風影で、友達だ!友達が助けてくれってんなら、俺はぜってーあいつの助けになるってばよ」


かーっこいいねぇ
少しだけ風の国が好きになれそうな気がする


『カカシ、向こうでの任務は?』

「んー、状況説明と、水遁でどうにかできないかの確認、子供の移動手段の検討
 ま、ナギさんがいなくても大丈夫だから、そっちはそっちで好きに動いてもいいと思うけど」

『なら、好きに動かしてもらうね』


よし決まった
風の国の門が見えて、案内役の金髪の女の子がいて
シカマルが挨拶してた
この子がテマリか、ヨシノさんに似てるよ
やっぱ、親子だね、女の趣味もそっくり


「まず宿に案内する。荷物おいてから我愛羅のトコ案内する」

『あ、私はパスで。カカシ荷物よろしく、夜には帰るからご飯の用意だけは忘れないで、絶対ね』


と荷物を放り投げて、瞬身でその場を離れた
門の外に出て、砂に手をつっこむ
地中から水分を作るのは無理に等しい
雲を呼ぶための風も中々うまくいかないし
ま、少しだけ時間はあるし、夜になればすこし状況も変わるかな?

始めて入る風の国、火の国までは栄えていないけれど
人はみんな明るく、過酷な状況でも頑張って生きてる
所々に、給水場があって
大樽の中の水を、市民に配ってる状態か

外でやるよりかは、里の中でやったほうがいい結果になりそう
少なからず水分量は全然こっちの方がいいみたいだし
貯水は、術者の水遁でどうにかしてるのかな
ちょっと無謀だよね
だけど、ここまで各国が水を運ぶのも距離的に大変


「お姉ちゃん、お水もらわないの?」

『うん?お姉ちゃんももらっていいの?』

「大丈夫だよ、あそこでボトルもらって、お水ちょうだいって言えば」


女の子が教えてくれたとおり、ボトルをもらって
お水を入れてもらった
ありがとうとお礼を言いに戻ったんだけど


「うぅ……ひっ、く……うぇぇん…」

『転んじゃった?』


目元をこする手に、膝から滲む手
地面に散らばる水の跡


『お姉ちゃんのお水あげるよ』

「でっ…も……ひっく………」

『いいから、いいから、ね』


その小さな手に水を渡して、涙を拭ってあげる
みててごらん
と地面に散らばる水を集める、少しだけ涙も頂いたけど
パキリと音をたてて水が凍りつき、花の形に姿を変えた


『あげる』

「いいの?ありがとう!!」

『もう転んじゃダメだよ』


うん!ままに見せてくる!
と走っていった背中を見送った

太陽が沈み、夜がくれば
昼間とは違って、気温はぐっとさがる
乾燥はしているものの、どうやら夜の方が風が穏やかだ

一番高い建物の上の屋根に座って、国全体を見つめる
家に明かりがついて、そこには人がいて
家族がいて、生活があって
どこの国も、それに関しては変わらないあったかい光


「お前がナギだな」

『はじめまして、風影様』

「我愛羅でいい」

『そ、よろしくね我愛羅』


隣に立って彼は、私からみればまだまだ子供だけど
その存在は大きく見える


『我愛羅はさ、この国が好き?』

「あぁ、好きだ」

『国の人も好き?』

「もちろんだ、俺が守ると決めた」

『そっか』


冷えた風が吹いて、髪をさらっていく


「俺は一尾を持ってる。そのせいで幾度となく命を狙われた。だが、そのおかげで友達ができた、仲間ができた、家族を知ることができた」

『うん』

「この里の未来を、日照りなんかで潰したくはない」

『うん』

「頼むぞ」

『うん』


そう風影は消えていった
命を狙われても、悲しい思いをしても、それでもこの国のために
なーんか


『かっこいいじゃん』




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