BOOK 十六夜

□04
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「ナギってば......」

「ナギさん...」

「はぁ......」


上からナルト、ヤマト、カカシ
カカシにいたっては、ため息だけ
だってさ、しょうがないじゃん
どう頑張ったって、できないものはできないんだもん


「何で割り箸がそんな奇跡的な割れ方してるんだってばよ」

『うーん......なんでだろう?』


一楽に4人で行って、味噌ラーメンを頼む
味噌チャーシュー大盛り!と育ち盛りな発言に、笑っていれば
テウチさんがすぐさまラーメンを持ってきてくれた

そして、いざ割り箸を取り、箸を割ってみれば
片方の箸が真ん中からポキリ
上の方だけ綺麗に割れないとかじゃなく、真ん中からポキリ
大笑いするテウチさんに、もう1本新しいのを取れば
今度は両方揃って斜めに亀裂が入り、子供用よりも短い箸が出来上がる

ナルトはすでに、綺麗に割り箸をわっていて、食べる始めてるのに
3本目を手に取ろうとして、カカシの手とぶつかる
パキリと綺麗に割られた箸を渡されて
ありがとうとお礼を言って、久しぶりのみそラーメンに箸を付ける


「ヤマト、この箸元に戻しておいて」

「......先輩は木遁をなんだと思ってるんですか」

『ご、ごめんねヤマト、私が綺麗に割れなかったから』

「いいえ、ナギさんのためなら木遁も惜しみなく発揮します」


とすぐさま割り箸を、綺麗に元通りにしてくれて
二人はその割り箸で、ラーメンを食べ始める

カカシ、口布のままだけど
どうやって食べるんだろう
と横目で見てれば、すごい速さで口布を下げ麺を入れ、元に戻す
うん、無駄に早いね

とゆっくり食べ始めたのはいいが
食べても食べても麺が減らない気がする


『食べても食べても麺が減らない...』

「食べるのが遅すぎて、伸びてるんです」

「前より遅くなってないナギさん...」

「もうどっから突っ込んでいいかわからねぇってばよ」


さっき戦って、殺気をぶつけてきた人とは思えないってばよー
と言われても
あれは仕事モードだけど、これはプライベートだし
普通に食べてるはずなんだけど


「ほら、ナルトはいいから早く食べてください」

『はーい』


とお母さんみたいなヤマトに即され麺を口に運んでいき
すこしして、ようやく食べ終えた
お財布をだし、4人分のお会計をして
外に出れば、もう日が沈み、ほんのりと夜の気配がする


「じゃあ俺ってば帰るねー」


とナルトを見送って
ヤマトと3人になる
さて、俺たちも帰ろうか
とカカシに言われ返事をすれば、ヤマトが驚いた顔になる


「お二人は、一緒に住むんですか?」

『私の部屋が決まるまでね』

「俺ん家、無駄に部屋はあるからね」


何でもないように言ったけれど
ヤマトが何を言おうとしているのかは理解できる
チラリとカカシを見上げれば、お好きにどうぞ
と言うようにニコリとされた


『ヤマトも一緒に行こうか』


カカシの家にお泊り会だね
と言えば、もうちぎれんばかりに振る尻尾が見える


『カカシの家分かる?』

「はい」

『着替えとかいろいろ持っておいで、先に行ってるからね』


と背中をぽんぽんしてあげれば、瞬身で消えた
はぁと息を吐くカカシだけど、本気で嫌がってないのはわかる
なんといっても、ヤマトはカカシにとっても可愛い後輩だもんね


「軽く飲みます?」

『あぁ私はいいや、お酒強くないんだよね』

「俺、ナギさんと酒飲めるの楽しみだったんだけどな」


と可愛く言われてしまたら断れないのを知っていて
こういう方をするんだから、可愛くない、いや可愛いけど、可愛くない


『酔って醜態さらしてもごめんね』

「ナギさんなら大歓迎」


なんてふざけ合って、途中お酒を買って
カカシの家まで歩く
途中気配を探れば、すでにヤマトは大急ぎでカカシの家に向かっていて
私たちより、先につく勢いだ



「ナギさーん。潰れるの早くないですかー」

「うわっ、めっちゃまつげ長いし、寝顔めっちゃ可愛い」


横たわるナギを、上からまじまじと観察
軽く飲み始めて、甘めのお酒をナギさんにすすめたら
数口飲んで潰れた
しかも、顔真っ赤にして
めっちゃ可愛い、マジ可愛い


「部屋運ぶか、もしくはここに布団引いてみんなで寝るか」


そっちがいい?ヤマト
と問えば、ナギさんと寝たいです!と挙手
こいつも酔ってんな、もーめんどくさいねー
布団を3人分運びながら、リビングに戻れば
ナギに抱きつかれているヤマトを発見
なーに、羨ましいことしてんのさー、人が寝る準備してるのに


「せせせせ、先輩!ナギさんを、ちょ!!」

「何襲っちゃいそう?」

「憧れの先輩に手出す度胸なんてないですから!!」


と慌てるヤマトに抱きついてるナギの肩を揺する
パチリと開いた目に、自分が移り込めば
カカシだぁ と今度は俺に抱きついてきた
布団はさっき引いたし、好都合
このまま布団に寝かすか

ナギを真ん中に、左がヤマト
右が俺で寝る
といっても、横になってるだけで
まだ寝る気はない


「ナギさん、とうとう暗部抜けたんですね」

「あぁ、俺も今日知って驚いた」

「昔ナギさんに言われました。私が暗部に居続けるのは、若い火の意思をより多く太陽の下に居させるためだと」

「俺も暗部辞めるとき言われたよ。お前は早く太陽の下で芽吹けって」


自分の分まで陽の光を浴びろって
でも、3代目はそんな彼女の意思を尊重して暗部にいさせたんだろうけど
もういい加減、ナギさんだって陽を浴びてもいいはずだから


「これからは、俺たちにもナギさんを守れますね」

「そーだね、いろいろ大変だろうけどね」


これから同じ太陽の下で、今度は俺がナギを守るから

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