BOOK NARUTO

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コツコツと窓をたたく小鳥
流石に前回4代目の招集を無視して
すっごく怒られたから
今日はいかないとまずい
と家の戸じまりをして、自分なりの最速で4代目の部屋を目指した


「お前がナギだな」

「はい。ナギちゃんこちらが、三忍の一人綱手様だよ」

『よろしくお願いします』


巨乳の綱手様に背中をバシバシ叩かれて
あのカカシが囲っている娘だろう
と随分な言い方をしているけど


『あの、それで呼び出しの目的は?』

「ナギちゃん、今カカシがSランク行ってるのは知ってるね?」

『はい』


数日前、真面目な顔して告げたのは
Sランク任務に行くということ
もしかしたら、帰ってこれないかもと
初めて弱気な発言を聞いた
声色も、表情も、雰囲気もふざけている様子もなくて
私は、行ってらっしゃいしか言えなかった


「結構危険な任務だ、殉職も覚悟しておけ」

「綱手様、なにもそんなはっきりと…」

「こればかりは、ごまかしは効かないだろう。濁せば後々傷つくのはナギだ」


カカシ

帰って
来ない
かもしれない

死ぬ
かもしれない



『Sランクの人数は?』

「スリーマンセル」

『医療忍者は』

「当然配置している」


あの時、カカシさんに術を仕掛けておいてよかった
と、過去の自分を褒めちぎりたい


『綱手様にお聞きします。もし致命傷の傷を負った時、すぐに綱手様や綱手様の認めた医療忍者の方が治療することができたら、その命救えますか?』

「戦場や、敵に囲まれている時は無理だ」

『治療に専念できる場所であるなら』

「救ってみせる」


そうはっきり言いきってくれた、綱手様の表情が
すごく頼もしくて
これなら安心だ と緊張がほどけた


『4代目様と綱手様にお話したい事があります』


自分の開発した術の事を
簡単に言えば、相手の傷を自分に移すことができる
カカシが戦闘で致命傷を負えば、その傷は自分に反映する
ただし、効果は1度きり
2度目は防げない
しかも、術二人同時に発動する事も出来ない
私は自分の助けたいと願う人にしか使う気はない


「その術は、もうカカシにかけてあるって事?」

『はい』

「それをカカシは知っているのか?」

『教えてないです』


教えたら、絶対に怒られるしね
仲間を守るため、自分を犠牲にしてほしくなくて
死んでほしくないからこそ、開発して
すぐにカカシさんとヤマトさんに術を仕込んだ

発動は1回につき1人だから
カカシさんだけに術を発動させる


「すぐに木の葉の病院にこい、そこで術を発動してもらう」

『はい』


致命傷か、そうじゃないかの判断は
心臓が止まるか止まらないか
心臓が止まりかけた時、術は発動して
その傷を私に移す
毒だろうと、術だろうと、関係なく
私がすべてを引き受ける
私より、カカシさんが生きていた方が
絶対に里の為にもなる


「死なせるきはないが、もしカカシの代わりに、ナギが死んだらどうする」

『命は平等というけれど、私とカカシさんの命、どちらを優先するかと問えば、100人中100人が言うでしょう、カカシさんの命の方が優先だと』

「覚悟はあるみたいだな」


そんな事はない!
とか言われたら、偽善だと返そうとしたけど
綱手様がそう言わないことが、私は少しだけ救われた気がした


『当然です』


数名の医療忍者が集められ、その中にサクラちゃんもいた
軽く手を振れば、笑って振り返してくれて
手術台の上で、私は術を発動させた
まだ体に変化が現れないあたり、危険な状態ではないのが分かる
目を閉じれば、カカシが見ている景色が脳内に浮かぶ
あ、戦闘中だ


『綱手様、現在戦闘中です』


スリーマンセルなのに、戦ってるのはカカシさんだけ
他の二人が視界から見えないのは、後方に下がらせているから
負傷したか、死んだか


「お前が最後だ、諦めろ」

「木の葉の犬が!!」


自分じゃ到底真似できない戦闘風景に、体が震える
視界がぐるんと後ろを向いて、ようやく二人の姿が目にはいる
あ、ヤバい

負傷した一人を抱きかかている、その二人に向かって
敵が、攻撃をしていて
間に合わない!と思ったら
胸の真ん中に穴が開いた


「っ!!治療を開始する」

『(カカシ…絶対に生きて帰ってきてね)』

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