BOOK NARUTO

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「シカマルくんだよね。ありがとね##ame1##ちゃん連れてきてくれて」

「いえ、自分は失礼しますんで」


4代目様の部屋に入って、シカマルくんはすぐに退室しようとしたんだけど
とっさにシカマルくんの服を握った
咎める視線が刺さる
流石に、ここまで迷惑かけられないか


『ごめん、ありがとね』


小さくつぶやいて、その手を放した
震えそうな手を強く握って、まっすぐに4代目を見つめる


「いいよシカマルくんがいても、口、堅そうだしね」

「っす」


まず座ろうか、あ、お茶入れてくる
俺がやります。流石に4代目にお茶くみさせるのは、ダメっす

と二人きりになってしまった


「この前は本当にごめんね」

『いいえ、大丈夫です』


この前の件で、4代目様がちゃんと謝りたいって言ってるのは
カカシさんから聞いてたから
当たり障りない返答をしたけれど
まだ、何かありそうだ


「ナギちゃんに、24時間体制で監視をつけるって話が出てる」

『いやです』

「うん、そうなんだけど」

『私は木の葉のモルモットじゃない』

「そこまでの話じゃないよ。ただもしまたあーゆう奴らが出てこないとは言い切れなくて」

『それなら一人のプライバシーは関係ないって事ですか』

「ナギちゃんの安全を守るためでもある」


ぐっと押し黙って、テーブルを見つめる
24時間、誰かに見張られる
プライバシーも何もない
そんなに、この力は異端なんだろうか
この里のため、死んだ仲間の為に必死に探した手段なのに
あぁ、そっか、やっぱり、私は


『あの時に、死んだ方が良かったみたいですね』


先生の言ったとおりだ
あの時死んでいれば、こんな事にならなかったかもしれない
4代目様が息をのんで、何かを話そうとするより早く
頭に痛みが走る


「ぶっとんだ考えしてんなよ」

『シ、シカマルくん……痛いんだけど』

「当たり前だ、痛くしてんだから」


どうやら、シカマルくんの持ってたお盆で頭を叩かれたらしい
地味に痛い
涙目で横に立つシカマルくんを睨めば
再度、お盆が降ってきた
痛いってば……


「死ぬなんて簡単に言うな馬鹿。それに4代目、監視をつけるならまずナルトの馬鹿につけた方がよっぽど賢明な判断だと思いますよ」

「あー……うん、ナルトね」

「無茶ばっかりしやがるし、イタズラも健在。すぐに感情的になって九尾のチャクラを容易に使う。このままじゃ木の葉の破壊神になりますよ」

「痛いところをついてくるね」


ナルトくん…君って子は
実際にその破壊神を見た事はないけど
4代目様がここまでうなだれるなら、本当なんだろうね
元気すぎるも問題だね


「この人に何があったか知らないっすけど、監視はいらねーと思いますよ。何回か騙されて痛い目に会えば、0に近い警戒心も防衛本能も何とかなるでしょ」

『0に近いって…シカマルくん酷くない?』

「あんたは少し黙ってろって、めんどくせぇな」

『…はい』


黙ってろって言われた
シカマルくん、君、一応年下だよね?
確かにさ、人とかかわってこなかったから、精神年齢は少し幼いかもしれないけど
それでもさ、一応年上なんだよ


「馬鹿みたいに人を疑わないって事が問題で、監視をつけるって言うなら、俺はこの里に未来はねぇと思いますけどね」


子供らにもそう言うんですか?
里の人間を常に疑って、騙されて傷つかないように、用心しなさいって

そこまで4代目様にはっきりと物事が言えるんだ
と妙に感心しながら、4代目様を見れば
4代目様は笑ってた


「そうだよね、そんな里じゃダメだよね」

「俺個人の意見は、ですけどね。生意気だとは思います。事情も知らねぇし、まだまだガキという自覚もありますし」

「いや、そうでもないよシカマルくん。流石シカクの息子だね」


ナギちゃん
と名前を呼ばれ、さっきまで真面目な顔の4代目様は
申し訳なさそうに笑って


「監視の話はなしね」


と頭をなでられた


『シカマルくんのおかげかな』

「まぁ監視はやりすぎだけど、あんたは危機感をもっと持て」

『うん……』


ぶっきらぼうだけど、シカマルくん、味方してくれたんだよね


「4代目の招集無視は、カカシ先生とヤマトさんに報告すっから」

『いや、ちょっと待とうか、シカマルくん。ね、話せばわかるよ』

「いや、あんたは痛い目みた方がいい」




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