BOOK NARUTO

□02
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次の日、シャンプーとリンス、ボディソープなんかを買い足して
お団子屋さんで休憩を取る
熱いお茶に、みたらし団子を2本頼んで
買った荷物は足元に置いた

昨日のナルトくんは、兵糧丸飲んでくれたかな?
できれば感想とか聞きたいけど、今度いつ会えるとかわからないし
多分、次会うときは、見た目全然違うだろうから
気づいてもらえないかな
と心の中で苦笑をこぼす

お団子を2本食べ終わって、お茶を飲み干して
お会計して帰ろうかなー
と立ち上がる、お勘定〜いくら?
ちょっとまってね
そう言われて、ゴソゴソしてるおばちゃんを可愛いおばちゃんだなぁと見ながら
見知った気配を感知した
これ、ちょっとヤバイかも
焦らず、表に出さず
自然な感じで視線を流せば

歩きながら本を読む銀髪の男性、その横でネコ目の男性が何か話してる
うわぁ、すっごい久しぶりに見たけど
変わってないなぁ…


『(って違う違う……バレないだろうけど、めっちゃヤバイ!←混乱中)』


はい、おつりね
と渡された小銭を、がま口にもどして
ごちそうさまーと声をかけ
足元の荷物を持った
このまま、普通に家に帰って
任務完了!
だんだん近づく気配に、歩調が早くならないようにして
追い越していくのをまつ
ツイ と私の横を銀髪が通り過ぎて
ほっと心の中で息をついたけど
なぜかそのまま、くるりと振り返った


『(平常心、平常心)』


今の私には無関係、無関係
と自然な動きで、振り返ったまま動かない銀髪の横を通り過ぎる
本当は駆け出して、そのまま家に帰りたいけれど
絶対に逃げきれない!しかも一人だって無理なのに
今日は二人だし!
しかも荷物重いし!


「ナギ」


名前を呼ばれた
だけど動かないところを見ると、確信はないのか
こっちの同様を探っているのか
だけど、伸ばされる腕の気配に
荷物を放り出して、地面をけったけど


「俺に勝てるわけないでしょーよ」


と簡単に捕まってしまったわけです、はい
ヤマト、それ持ってきて
それとは、私の落とした荷物
声をかけようとしたけど、周りの流れる景色に
体にかかる圧、前より全然早くなってる…
流石にこれには勝てないよね…
と諦めて、力を抜いて体を任せた


「よいしょ、とーちゃく」


下ろされた場所は、柔らかいソファーの上
靴脱がなくちゃと、手を伸ばしたけど
それより先に、その手をぐっと握られた


「随分久しぶりじゃない?」

『久しぶりです、カカシさん?』


ギリギリと握られる手首、絶対痕ついてる…
すぐ後に、テンゾウさんまで現れて、笑っちゃうほどマズイ状況
あーどうしましょ


『とりあえず、靴脱いでいいですかね?』


ぱっと手がはなされて、靴を脱ぎ玄関に置く
目の前のドアを開ければ外なんだけど
二人の視線が背中に突き刺さってて、逃げるなんて無理無理
さっき下されたソファーに座りなおせば


「その変化、解いて」


ゆる〜く、しかもニッコリ笑うカカシさんに
誰が逆らえるでしょうか…
ぼふんと音をたてて、変化を解いた

黒い髪は、重い銀髪に代わり
床にこぼれるほど長くなる
自分の家以外の場所でこの姿になるのは、7年ぶりだ
伏せていた視線をあげ、おずおずとカカシ先輩を見れば
珍しくすっごい真面目な顔してて怖い

向かい側に座るカカシさんも怖いけど
立って壁に背を預けて、腕組んで、無表情でこっちを見るテンゾウさんも
すっごく怖い、何度でも言う、すっごく怖い


「とりあえず、ぜーんぶ説明しよっか」

「ナギ、全部吐かないと、このひと絶対途中でやめないからね」


あははは…
何から説明しようか…
というか、全部理解してる気がするんだけどこの人ら
それでも人の口から説明させたいのかな
うっとおしい前髪を後ろに撫で付け
散らばる髪を左側に1つにまとめる


『中忍試験蹴ったでしょ?だけど、特別上忍の声がかかって、何かぐるぐるして…』


何だか苦しくて
もう一人になっちゃえば、楽になれるかもしれないと思って


「逃げだした…と」

『うぅ……はい』


はぁと大きくため息を吐いたカカシさん
ゴチンと頭にゲンコツが降って来て、その痛さに涙が出る
両手を頭に添えて、涙目でカカシさんを見れば
あれだ、あれ
視線で人が殺せる目


「どんだけ心配したと思ってる?ナギの力を利用する奴らにさらわれたって、里中大騒ぎだったんだよ」

「先輩めっちゃ焦って探してましたもんね。忍犬全部だして」

「ヤマトうるさい」

『でも、何で気づいたの?見た目も、声も、匂いだって変えたのに』

「ナギさー、歩きかたとか、話し方とか、ナギだと思わせる要因は結構あったと思うけど」


歩き方、かぁ
そこまでは確かに気にしてなかった
話し方も確かに素だったけど、でもさぁ


「ま、7年分いろいろ話を聞きたいところだけど、とにかくやることやってからにしよーか」

『やること?』

「ヤマト!あ、ナギ今のこいつの名前ヤマトでよろしく

『はぁ』


にっこり笑うカカシさんに
あー何か嫌な予感がする
そっと視線を投げたヤマトさんは、めんどくさそうにため息を吐いてるし


「もうどこにも逃げないように、俺が監視してあげるから、引っ越しておいで」



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