BOOK MHA/HQ

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昼休み、ちゃちゃっとお弁当を食べ
訓練室の貸出を相澤先生がしてくれたらしい
毎日は無理だけど、日替わりで貸してもらえるとの事


『なんか人数増えてない?』


自前のジャージで向かったそこには、1−Aの女子が全員
その他にも、数名の、というかほぼ全員の男子
え、なにこの大人数
私いらなくない?


「なんか大事になってしまった」

『まぁ男子は男子で手合わせするんだろうし、こっちはこっちで始めよ』


女子と男子で別れようとしたんだけど
私の肩に置かれる手に振り向けば


「俺の相手も頼む」

『轟くんも?何で?』

「お前の動き、やりずれぇなと思ったから」


やりやすい相手ばっかじゃダメだろ
まぁその通りなんだけど、じゃあ、順番ね

最初の相手はお茶子ちゃん、時間は10分
10分やって、5分休んで次の人って感じ
女子でも流石ヒーロー科、普通科の人とは動きが違う
たまに、力技でかかってくるのは、自分が物を浮かせられるという自信からなのかな?
でもとういう時だからこそ


『攻撃が大ぶりですよー』


足をかけちまえば、すってんころりん  ってね


「やっぱりタイミングうまいなー、来るって分かってても、止めらへんかった」

『かっちゃんを相手にしてるんだよ?タイミング見る以外、勝ち目ないっしょ』


梅雨ちゃんは、舌を伸ばす中距離だから、接近戦、しかも肉弾戦の強化
スピードも少し抑え気味で、避けられるぎりぎりを狙う


「ありがとう出流ちゃん。私に合わせてくれたのね。いい練習になったわ」

『役にたって良かった』


出久もやる?って聞いたけど、家でも出来るし、他のみんなとやってあげて
って言うから、次の相手は時間的に最後だけど
ずいと出てくる赤と白に、最後のラスボス感が半端ない

やっぱり男子とは、リーチの差もあるし
スピードだって一級品だ、かっちゃんには劣るけど
でも型が綺麗で、これ、ちゃんと訓練してる
しかも、上手い人

でもどっかで見たことある戦い方だ
どこだ、テレビ……だよね


「考え事か?余裕だな」

『そんな事ない、よ!』


手より、足の方がリーチが長いから
蹴りも繰り出すけど、捕まれたら終わりだから、注意しないと
たまに、冷気と熱気がかするから
轟くんの個性なんだろうけど、個性も聞いておけば良かった

冷気、氷、熱気、炎、たまに右側に火が浮かぶように見えるけど
本人気付いてるかな?
火、炎、型の綺麗なヒーロー…、そうか


『エンデヴァーに型が似てる』


つぶやきが聞こえたのか、冷静な攻撃が多かった轟君が
型の崩れた攻撃に変わった、地雷、踏んじゃったのかも
どうにかよけたんだけど、リチリチと焦げる匂い


「出流ちゃん!!」


出久が駆け寄ってきて、自分のジャージを私の頭にかぶせる
あー、髪、燃えちゃったか


「悪い!大丈夫か、怪我は!火傷っ」

『大丈夫、どこも痛くないし、熱くもない』

「でも、髪が」

『髪なんてすぐ伸びるよー、切るタイミングを逃してただけだから、気にしなくていいよ』


もう火が消えたのか、出久が離れて
本当に、痛くない?って顔してる
出久の手をぎゅっと握って、心配で揺れる目を見つめる


『大丈夫、本当に大丈夫だから』

「うん、帰り美容室行かないとだね」


次に轟くんの手も、出久と同じように握って
同じ言葉を言う


『気にしてないよ。だから轟くんも気にしないでね』

「あぁ、わかった」


八百万さんがハサミを出してくれて、焦げた所だけばっさりと切ってもらった
帰り美容室で、ちゃんとやってもらうまで
そのままっていうのも嫌だしね

スマホでお馴染みの美容室に電話をかける


『あ、たち子さん、きり子さん夕方あいてる?うん、髪切ってもらおうと思って、え?すき子さんが?じゃあすき子さんでもいいや、学校終わったら寄るね』


予約も完了




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