BOOK MHA/HQ

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何かずっとゾワゾワする、嫌な予感がする
これ、私じゃない
絶対、出久

まだ体が痛いとかないから、怪我はしてないと思うけど
これはダメなやつだ
絶対怪我して帰ってくる

この時間出久はなんの授業だっけ
昨日楽しそうに話してたよね
ヒーロー基礎学?
また戦闘訓練とか?
違うな、そんな感じじゃない

前の戦闘訓練で、こんな嫌な予感はしなかった
痛みだけ急にきて、あぁ、怪我したなって感じだった
なら、この嫌な予感はなんだ


『先生、具合悪いので、保健室行ってもいいですか』


授業を仮病で抜け出すのは、悪いとは思うけど
廊下を早歩きで進んで、迷わずリカバリーガールの元を訪れる


『リカバリーガール、今1−Aが何の授業かご存知ですか?』

「ヒーロー基礎学、USJで救難訓練ってきいてるよ」


USJってなんだ?
いやいや、そんな事より、この嫌な予感を解消する方が先だ
イレイザーヘッド、13号、オールマイトの3人で行う予定らしいけど
オールマイトは諸事情で、まだ校内にいるらしいんだけど


『絶対何かあります。良くない何かが、今まで感じた事ないです、こんな感じ』


出久もかっちゃんも、みんなそこにいる
カタカタと震える体を、ぎゅっと抱きこめば
リカバリーガールの手が、そっと背中を撫でる


「先生たちも多くいる、何も不安になる事じゃないよ。そんなに心配ならちょっと見に行ってこようかね」

『お願いします、リカバリーガール』


そこで休んでていいよ、顔色が悪いからね
ベットを指さすけど、寝れるわけもないし
椅子に座ったまま、時間だけが過ぎてゆく


『指、痛い……腕も………』


出久が戦ってる、怪我してる
戦闘訓練で怪我は付き物だけど、嫌な予感も消えない
相手は、かっちゃんとかじゃない


廊下がざわざわとうるさくなって、乱暴にドアが開かれたと思ったら
担架に乗った出久が運び込まれた

USJでの救助訓練の途中、敵連合と呼ばれる組織によって襲撃を受け
イレイザーヘッド、13号が重傷
血の気が引く騒動に、出久が生きて帰って来て良かった
生徒には大きな怪我もなく、みんな無事らしい
すごいなみんな、私だったら絶対死んでる


「お前さんの予感が的中したね。早めの治療ができた。ありがとう。でも気にしすぎるのも良くないよ。今日と明日、家でゆっくり休みなさいね」

『はい』


出久は治療があるから、私だけ先に帰された
もうぞわぞわしないけど、何か気が張ってるな……


「おい」


校門を出た所で、声をかけられて振り向けば
すごい怖いかおしたかっちゃんがいた
見る限りでは小さな怪我はあっても、大きな怪我はなさそうで
ちょっと安心した


「ブスが、さらにブスになってんぞ」

『うん……怪我なくて、安心した』

「俺があの程度で怪我なんかするかよ」

『うん、かっちゃんは、強いから』


ぐいと手をつかまれて、そのまま引っ張られるように家路に向かう
かっちゃんと、うちの曲がり角になっても手は離れなくて
かっちゃんの家に向かう道

久し振りにかっちゃんの家に行くな
玄関があき、リビングをとおれば、光己さんがいて
ひさしぶり光己さん とお辞儀をする


「おいババア、こいつ今日泊める。引子さんに連絡いれとけ」

「ちょっと、何いきなり、説明しなさいって」

「こいつのキャパオーバー」

「あぁ、わかった。連絡いれとく」





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