BOOK MHA/HQ

□10
1ページ/1ページ

ランチラッシュのお昼御飯の美味しさに
今日も食堂へ足を向ける
相変わらず混んでる

窓から離れた場所の、奥の方に席を見つけて
そこにご飯の乗ったお盆を置く
今日は豚の生姜焼き定食

いただきます
スマホでニュースを確認しながら、ご飯を食べれば
お向かいに誰か座る気配


「また一人か」

『轟君もね』


赤と白の彼はまたもやそばをお盆に乗せている
豚のしょうが焼を1切れ、端に乗せれて


『たぶん食べきれないで残しちゃうから』

「わるい、ありがとな」


ヒーロー科で今日は学級委員を決めたとか
ヒーロー基礎学、もっと増えればいいとか
ヒーローの卵は、普通の授業は少し物足りないみたい


『ねぇ、これも何かの縁だし、連絡先交換しない?』

「どうやるんだか、分かんねぇ。やってくれ」

『一緒にやろ』


緑色のアプリのダウンロードから始まって
アカウントの設定をして
二人でスマホをフルフルと揺らす

まだなんの設定もしてない、ノーマルなアイコンに
とどろき しょうと のひらがなの文字


『下の名前、しょうと って言うんだ』

「俺、名前伝えてなかったか?」

『物覚えわるくてさ』


よろしく と猫のスタンプで挨拶をすれば
これ、可愛いなって、後でスタンププレゼントしてあげよう

残りの御飯を食べ進めようとして
急に食堂に響くサイレン
人の声と、椅子の倒れる音で放送何言ってるか全然分からない


「避難指示出てるぞ」

『うん、でもさ。今動いても入口はこんな感じだし、ここは窓から離れてるから、窓ガラスの割れる心配もないし、電気が落ちてくる様子もない。ならもう少し様子見かな?』


腰を浮かした轟くんにそう伝えれば
それもそうか、と轟君は椅子に逆戻り
残りのしょうが焼を口に放り込む


「だいじょうぶ!!!!!」


人だかりの入口にの非常口に、人間非常口がいる
なにあれ、ちょっと受ける
その人が言うには、学園内に侵入してきたのはマスコミで
何も心配はいらないとのこと
最高峰 雄英学園の生徒らしく、模範的な行動をって言ってる
あ、出久も人ごみの中に発見した


「あれ、うちのクラスの飯田ってやつだ。きっと麗日が浮かしたんだろ」

『まぁなにはともあれ、ご馳走様でした』

「ごちそうさまでした」


お盆を片付けて、食堂の散らばったご飯の片付けも手伝って
午後の授業ギリギリにクラスに戻れば
マイク先生が仁王立ちして待っていた

さっきの避難警報の説明かな?
案の定避難警報の説明とか、心配いらないとか、お気軽に説明して
授業はじまるかと思いきや

ビシッと私の方を指さして


「なぁんで避難警報鳴り響いてんのに、呑気にメシ食ってたんだ!死にてぇのか」

『あの状態で入口に向かえば、逆に人に引かれて大怪我します。窓から離れていたし、頭上に落下物はありませんでしたし、何より嫌な感じが一切しませんでした!!』


右手を高く上げ、自分の状況を説明したけれど
ズカズカそばまで来たマイク先生に、ゴチンとゲンコツをもらう


「ならせめて、机の下にもぐるとかあんだろうがぁ!!」

『確かに!目の前の生姜焼きを手放せませんでした!』

「正直か、お前はぁ!!」




.
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ