BOOK MHA/HQ

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朝から降る雨で、男子女子分かれている体育が
全員体育館に集合して
さらに、体育の先生が一人風邪で休みのため
2クラス合同体育は、自由時間のようになっている


「北さーん!バレー俺も混ざってええですか」

「ええ訳ないやろ。授業どないした」

「自習やって、次俺も体育やしバレーのネットが見えたんで」


いてもたってもおらへんやん?
先生も呆れ顔やけど、怒られんかったんは、体育の先生が一人しかおらんし
帰れと言う強い理由もあらへんから

そーいえば


「サムのお気に入りは、どこにおるんですかー?」

「さっきまで試合しとったんやけど、交代したら眠りよった」


北さんの指さす先には、体小さ丸めた出流さんがおって
ん?何で名前呼びかって?サムがそう呼んどるからや!ずるいやん!あいつだけ
近う寄っても、全然起きへんから
すぐ隣に横んなって、無音カメラで2ショットをパシャリ
後でサムに見したろ

そのまま出流さんを観察してるけど
特にべっぴんさんと言うほどではない
良く言うても、中の上くらいやろ
どこをサムが気に入ったか、分からへん


「侑、そいつ起こしたって。試合出ろ言うて」





肩を揺すられてる感覚に、意識が浮上するあたり
ちょっとの時間で爆睡をしてたのと理解
いやいや、一応授業中に寝こけるなんて
ぼーっとする頭のまま、体を起こせば目の前に片割れくんがいて
首をかしげる
あれ?何で2年生の片割れくんがいるんだ?

同じく首をかしげる片割れくんの様子がなんだか面白くて笑えば
笑っとらんと、北さん呼んでんで
指さす先は、北がなんとも言えないいい笑顔で
慌てて髪を結び直して、試合に参加する


『んじゃ、寝置き1発目、いきますよー』


気の抜けた声と同時に、ラインから数歩後ろに下がる
ボールを高くあげて
ん、いい感じ


「ナイッサーもう1本」

『うぇーい』


数回サーブを打てば、流石にレシーブされたけど3点は取った
今度はこっちがレシーブの番だけど
そこまで強打の人いないから、こっち側のミスがなければ大丈夫かな
セッターの位置にボールを送り、北がトスを上げる
バレー部はサーブとスパイクは禁止らしい
じゃないとそもそもゲームにならないし
まぁ、スパイク出来ないのは私も一緒だけどね、身長ちびすぎて
ネットに阻まれる
それでもバレーボールは、ボールを落とさない方が勝つんだから
私達が負けるはずない

結果、私たちのチームが勝って授業は終わりになった
次の授業でそのまま使うから、片付けもしなくていいらしい


「バレー、やっとったん?」

『ん?まぁそこそこに?』

「何で選手やらへんの?」

『サポートの方が楽しかったから』


やる側の自分なんか、想像した事もないし、想像できない
ボールを自分で追うよりも、見てる方がずっと楽しい


「そんなもんかいな」

『そんなもんだよ。あー動いたらお腹すいた!』


じゃあ、またね
手を振って更衣室で制服に着替える
一人だけ制服が違うのにはもう慣れた

素早く着替えをして、チーズケーキ食べちゃおうかなー
なんて思って教室に戻れば




「出流さん、これちゃんと説明してや」

『え?なにその写真。いつの間に撮ったの!恥ずかしいから消して』

「消す消さんの前に、説明や。何でツムと一緒にお昼寝しとんのや」

『ちょ、顔怖いよ?そんな怒る事でもないやん?』




おっかない顔した治が、私の机を陣取っていた
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