BOOK 十六夜

□03
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日用品を買い込み
着替えや、この動きにくい忍服の代わりの忍服を入手し
一度、カカシの家にお気に行く
着替えようとしたら、今日はそのままでいいでしょ
と言われて、ま確かに今日はこれでいっか


『どこ行くの?』

「いいとこ」


と多分この先は演習場だったはず
と思い返してみれば、やっぱり演習場が見えた
自分の下の代で知っているのは
カカシに、暗部の後輩がもう一人ぐらい
あとは、知らないんだけどな


「ほら見えてきた」

『あの後ろ姿って......』


あの体格に、雰囲気
まっくろな髪に、何より、初代様しか使えない木遁
気配を消しながら、その懐かしい背中をめざす
いつもいつも、後ろから飛びつかないでください!危ないです!
と怒られていたけど


『テーンゾッ!』


といつもの調子で背中に飛びついてみた
わっ!と声をあげるけど
倒れるなんてないし、私が落ちないようにバランスまでとってくれる


「ちょ、危ないですよ!どちら様ですか、あなたは!」


テンゾウって、こんな顔してたんだ
イケメンだったんだね
前に回ってまじまじと観察する
そのまっすぐな目に、うろたえ始めるテンゾウに
こーゆうところは相変わらずだなぁ


『わからないかな?』


そう問えば、きょとんとした顔
いろいろヒントは上げてるよ?
テンゾウという、暗部の頃の名前に
背中に飛び乗る、その行動
そして、腰につけている赤い飾り紐の忍刀


「い、十六夜先輩ですか?」


正解!と言わんばかりにぎゅっと抱きつけば
大きな体が、ぎゅうぎゅうと抱きしめてきた


「テンゾウ、ナギさん潰す気か?」

「わっ、すみません」


慌てて手を話して、腕だの、顔だの、をぺたぺた触って
異常がないか見始め、すみません、すみませんと言葉を続ける
全然大丈夫
と笑えば、ほっとした顔に戻る


「名前、ナギさんって言うんですね」

『うんテンゾウは?』

「今はヤマトです」

『そっか、私これから上忍だから、一緒だねヤマト』


と見上げながら言えば、ヤマトはピシリと音をたてて止まった
どうしたの?
と更に顔を覗き込もうとして、後ろにいたカカシが止めた
なんで?


「今はそっとしておきましょう」

『ん?わかった』


しばらくして復活したヤマト
カカシが実は上忍師だと言うことを聞いて、驚けば
そんなに驚かなくてもいいでしょ
とそっぽをむかれた

話を聞けば、4代目の子、九尾の入れ物の子がカカシの生徒らしく
ヤマトもサブで面倒を見ているらしい
4代目の血筋に、九尾のチャクラ
ちょっと興味あるなぁ


『ねぇ、そのナルトってどこ?』

「あそこでへばってる、金髪の子ですよ」

『ちょっと遊んでくるね』


ちょっとした演出で、変化の術で暗部の頃の仮面をだし
彼の真上まで飛ぶ、おもいっきり殺気をだせば
面白いように反応してくれた
反射神経よし、ただちょっと気配を読むのは下手くそかなぁ

クナイを手にし、警戒心丸出しの様子のナルトに
軽く手裏剣を飛ばし、様子見
クナイの使い方よし、動体視力よし


『砂塵隠れ』


砂を巻き上げて、視界を奪う
さぁ、どうでる?
と伺っていれば
ぶわっと風が吹いて砂塵は綺麗に消し飛んだ
ナルトの手には、螺旋丸


「うらぁぁぁ!!」


とまっすぐに飛んでくるのはいいんだけど、直線的すぎて
避けてくださいって言ってるのも同じだね
まだまだ発展途上って感じかな?
スピードもそーんなに早くもないし


『はい、動かないでね』


攻撃を避け、うまく後ろへ回り込み、クナイを首元に当てる
センスは悪くない、まだまだ磨けば光る
性格は、良くも悪くもまっすぐってところかな?


「ナギさん、貴方の速度についていける人はそうそういないでしょうよ」

『んー、まだまだ本気じゃなかったよ』

「本気だったら、一瞬でおわってます」


ヤマトとカカシがよってきたから、クナイをナルトから離す
ごめーんね とナルトに謝って、事情を説明すれば
いきなりすぎてびっくりしたってばよー
と地面に倒れ込んだ


『と、ゆーわけでこれからよろしくね』

「よろしくだってばよ」


ナルトくんと友達になりました
手を差し出して、それに気づいたナルトが手を重ねる
ぎゅっと握る

カカシやヤマトとはまた違った可愛さだね
クシャクシャと髪を撫でれば、やめろという割に嬉しそうだ


「ナギってばカカシ先生とヤマト隊長とはどんな関係なんだってばよ」

『ん?先輩だよ』

「せ、んぱい......ナギいくつだってば?」

『今年で32歳になります』


見えねぇってばよ!!
と驚くナルトに笑えば、20代前半かと思った!
と10も若く見てくれた
うん、ほんとにいい子だねぇ


『よし!ナルトには一楽でラーメンでもおごってあげよう!』

「マジか!サンキュー!」


と二人だけの世界に浸っていると
後ろからぎゅっとヤマトが抱きついてきた
僕も行きます
と首筋に顔を埋めるその頭をぽんぽんと撫でてやる
変わらないな、ヤマトも


『ヤマトを仲間はずれにするはずないでしょう。もちろんカカシもね』

と見上げれば、困った顔のカカシがガシガシと頭を掻いていた
久しぶりに二人にあったけれど
昔と変わらない部分に、ほんわりと胸があつくなる

改めて、これからよろしく



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