Legendz

□CALLING IN THE WIND
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そしてあれから1年が経った。
私はハルカのレジェンズ研究の手伝いをする事を条件に
彼女の家に居候をしている。
谷へ戻っても守るべき物はもうない。
それに彼女といる方が奴らが何者なのか調べやすい気がしたからだ。



未だに奪われたソウルドールに動きを感じられないのが気になるが
悪用されていないのなら良いのだろう。

私はニューヨークの朝日を浴びながらキッチンに立つ。



「さてと」


冷蔵庫から幾つか材料を取り出して、フライパンを火にかける。
それと同時進行でトースターにパンをセットして卵とベーコンをフライパンへ落とす。



「おはよー」



欠伸をしながらキッチンへ入ってきたのはハルカ。
彼女は冷蔵庫を開けてミルクを取り出すと
グラス2杯に注いだ。


「おはよう。今日から学校教師のバイトなんだろう?
はいコレ、お弁当用意しといたから」

「わー!ありがとうローレンス!気が利くわー!」


お弁当を入れた紙袋と、朝食をハルカの前に差し出し
自分の分の目玉焼きとベーコンをフライパンから取り分ける。
一年が経ち、私たちは姉妹の様な関係になれた。



「ねぇ、ローレンスも教師のアルバイトしない?
貴女がいたらめちゃくちゃ頼もしいんだけど」

「……教師のバイトってそんなに募集しているものなのか…?」

「大丈夫よそのへんは。どうせ夢小説なんだからどうにでもできるでしょ」

「そうか。なら考えておくよ」


私に教師が勤まるか分からないが、それも楽しそうだ
ハルカは朝食を食べ終わると、何時ものライダースーツではない服へ着替え
お気に入りのハーレイで颯爽と学校へ向かっていった。


私はこの1年でやっと本棚2つ分まで読み進めることが出来たレジェンズについての文献の1冊を手に
窓辺で腰を下ろした。


ここは風が心地よい。



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