おジャ魔女どれみ
□第5話:クラスメイト
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学校へ通いだして暫くがたち、少しクラスの子達も慣れてきたのか、質問される回数が減ってきた気がする。
その原因の一つに、玉木さんを中心とした親衛隊という団体が追い払ってくれているらしい。
…静かでそちらが助かるが…
そんなある日のこと。
休み時間の時に春風さん達がベランダに出ていくのが見えた。
ベランダ側に席がある私には、会話の内容まではっきり聞こえていた。
…どうやら、今日本で人気のアイドルグループ【ステッキ】の話題をしているようだ。
其処に、同じクラスの横川さんが話題に入っていった。
「知らないの?ノブヒロはドケチ、ユタカはマザコン、ユキオはお裁縫が趣味何だから。」
…実際ステッキと何度か番組で共演したことがあるが、そんな噂は一斎聞いたことがない。
この子の作り話だろう。
この年代の子は、自己顕示欲が強いのが特徴であり、玉木さんがいい例である。
だが、嘘はいつかばれる…。
それに嘘で固められた友情は、儚く脆い。
経験して初めて、それに気づくことが出来る。
横川さんの嘘に、純粋な妹尾さんが信じてサインを頼みだし、困っている横川さんに気づくことなく、自分らは親友だと言いだしていた。
そんなもので親友だという妹尾さんもどうかと思うが…。
…私には関係ないの話か…。
横川さんは、初めてできた友達が嬉しいようで、常に妹尾さんと一緒にいた。
だがあろうことか、妹尾さんの好感度を上げるためだけに、自分の親がいないと言い出したのだ。
望んだって家族と言ってくれる存在に出会えなかった私にとって、その嘘は許し難いもの…。
やっとこの世界で、リカ達に会えて家族の大切さを身にしみるほど理解した。
なのに…いないなんて…
今の私には我慢ならない言葉であった…。
私は席を立ち、横川さんの前まで行くと、思いっきり頬を叩いた。
教室中の子達がこちらを驚いて見る中、私は叩かれた頬を抑える横川さんを強い視線で見ていた。
「ちょっとライムちゃんッ!何てことを「幾ら嘘でも…言っていいことと悪いことがある。」
私は、それだけ言ってその場を逃げるように教室を出た。