おジャ魔女どれみ

□第4話:学校
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あれから半年が過ぎた。

海外での仕事も順調に終わり、今日日本へ帰国をする。


「やっと会えるね…リカ、ララ。」

「ライムちゃん、じゃ行こうか。」

「…はい。櫻井さん。」


櫻井さんは、私の専属のマネージャーで、日向さんの従兄弟らしく、名前も同じ功という。

穏やかな人で日向さんに似ている。

容姿も…自由にさせてくれる方針も…。

日向さんに似ているこの人も、いつしか信じられる一人になっていた。

櫻井さんと共に日本に帰国するため、空港に来ていたが…。

なんだ…このギャラリーは…。


「ライムちゃんッ!またアメリカに来てね!❤」
「貴方の映画最高だったわ!流石今年の女優賞をとるだけの器だわ〜❤」
「ライムちゃんの事、ずっと応援しているからねッ!」
「CD買います!❤だから名曲をどんどん生み出して下さいッ!」


櫻井さん曰く、今日帰国するという情報が流れていたらしい…。

どの次元の言葉も話せるには話せるのだが、みんな私に気を使ってか、流暢な日本語で話してくれている。

こんな心遣いが正直嬉しい…。


「みんな…ありがとう。」


みんなに微笑み返して答える。

すると何時も見慣れたような反応が…。


「「「「「「キャーーーーーー!!!❤❤❤」」」」」」



甲高い叫び声が空港中に鳴り響き、倒れる人まで続出した。

興奮がピークに達した人だかりは、勢いで私に手を伸ばし、触れようとしてくる…。

それを咄嗟に避け、警備員達が規制を強める中、逃げるようにしてその場から移動した。

そのまま櫻井さんに守られるようにしながら、乗客口に向かった。


「大丈夫だったかい?」


櫻井さんは、私の事情を知っている。

日向さんが申し次ぎの際に、十分に気をつけるようにと言ってくれたらしい…。

撮影中でも、信用していない人から触れられると殺気を放ってしまう。

一度だけ放った事があり、その時は運良く緊張感が漂っていいとかでそのまま映画に使われたが…毎度こうはいかない…。

それ以降、櫻井さんが事前に手を回してそういった場面を作らないようにしてくれている。

今も震える私の手を、櫻井さんが離さないように強く握りしめてくれている。


「…大丈夫です。」

「そうか。なら、よかった。」


そういって私の頭を撫でてくれた。

…とても心強い…

安心できる…

そして先に進むと、搭乗口付近で見知った顔ぶれが見えた。

滞在中お世話になった監督やハリウッドスター、大手会社の社長、急遽駆けつけてくれた指揮者のデイビットさん。

他にも地元の多くの撮影スタッフ達や器材が用意されていた。


「これはこれは。態々お出迎えありがとうこざいます。」


櫻井さんが、変わりに対応してくれている。


「Mr.櫻井、是非またMissライムと仕事をさせて下さい。Missライムとの共演は私達にとってとても有意義な時間でした。」

「はい。是非今後ともよろしくお願いします。」

「oh、ライム!君と別れるのはとても寂しい。良いコンビが組めるのに…。是非、また映画に共に出ようじゃないか!アハ!」

「…はい。」

「君って子は…どうしてそんなに可愛いんだい?そのつれないところも君の魅力だね❤」


……。

この人…仕事では別人のように変わるのだがプライベートではしょっちゅう私を自分の膝に乗せようとしたり、毎回櫻井さんと言い合いをする変人だ。

…嫌いではないが…苦手…。

そんな風に挨拶をしているところをカメラで撮られたりしながら、別れを告げた。

そして見送られながら無事に日本に帰国した。
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