おジャ魔女どれみ
□第2話:仕事
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それから私は、正式にリカさんの養子として家族になった。
その証拠と言ってはなんだが、リカさんからさんをとれと言われてリカと呼んでいる。
家族は名前で呼び合うものらしいのだ…。
今では、毎日ララやウル達と共に店の手伝いをしながら過ごしている。
初めは掃除をしたり、物の運搬を手伝ったりなど家事も含めた事をしていたのだが、リカが私にも作るように促してきてから、ちょくちょく創作の手伝いもしている。
リカがネックレスや指輪といったアクセサリーを作る姿が好きで、興味深く見ていた私に気づいて促してくれたんだと思う。
見様見真似で作ってみたら案外形が整った物が出来て、それを見たリカはとても驚き、喜んでくれて褒めてくれた。
何でも国宝級に美しいだとか…。
でも…
私はリカが作る物の方が温かみを感じる。
一つ一つの物に魔力が込めてあり、買ってくれた人に想いが込められている。
そんな事私には出来ない…。
見ず知らずの人の幸せなんかを願うなんて出来はしない…。
リカやララと過ごす時間は好きだ。
一緒にご飯を作ったり、物を作ったりそうやって笑いあって過ごす時間がとても居心地がいい。
これが家族なんだと二人に教えてもらった。
今ではこの二人が、家族が何よりも大事だと感じている自分がいる事に驚いてしまう。
ずっとこんな日々が続けばいいのに…。
そんなある日の事。
「リカ、庭の掃除が終わったからこの部屋の掃除するね。」
「ライムはほんに働き者じゃな。少し休んでもよいのじゃぞ?此処は今度でもよい。」
「…うん…分かった。じゃ、お茶でも持って来るね。」
そう言って台所に向かおうとすると、何処からか音楽とともに歌声が聞こえだす。
次の瞬間、突如として現れた人の気配に警戒をするが、リカが大丈夫だと言って頭を撫でてきた。
その直後、近くの小瓶から煙があがり、突如其処から人が現れた。
「ごきげん〜いかが〜♫集〜金に、来ました〜♩デラデラ〜よ〜♫」
……なんだろう…。
私のその人に対する第一印象は…
…変人である。
格好からしてリカと同じ魔女なのだろうが…
何て陽気な人だろうか。
…何故小瓶から…。
「こんにちは、マジョリカ。先月の集金に来たわよ♩」
「もうそんな時期か。悪いがデラ、もう少し待ってくれんか?まとまった金がないのじゃ。」
「またなの〜?仕方ないわね〜。来月までには用意しておいてよ〜。…あら?」
そう言って、デラと呼ばれる人が興味津々といった感じにこちらに顔を近づけてくる。
「マジョリカにお弟子さんがいたの何て初耳だわ。こんにちは、私はデラよ♩」
「…こんにちは…初めまして…、ライムと言います。」
「まぁ〜💓この子、お人形さんのように可愛いわね♩」
そう言ってデラさんが私の頭に触れようとしてきた為、咄嗟に後ろに避ける。
それに気づいたのか、リカが気を使って私をこの場から離そうとしてくれた。
「ライム、儂とデラの分のお茶を持って来てくれんか?」
「…うん…分かった。」
私は台所に向かい、二人分のお茶を汲むが手が震えて上手くつげない。
リカやウル達意外から触れらるのが気持ち悪くて仕方ない。
「リカに…悪い事しちゃった…。」