銀魂

□第3章:久しぶりだな、嬢ちゃん
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月夜が綺麗な晩。

月の下で桂は攘夷活動にて街を歩いていた。

ちょうど橋を通りかかった時、ある男が横を通りかかる。

近頃辻斬り騒動で多くの浪人が切られ、それも全く接点のない者達が無差別に切られている。

今回、桂はその辻斬りの情報を手に入れるために動いていた様子。

どうやらこの男の目的は、俺自身だと桂は悟った。

何せ、男からは殺気がだだ漏れなのだから、気づかないなんてことがあるまい。


「ちょいと失礼ぃ。桂小太郎とお見受けする。」

「・・・人違いだ。」

「心配いらんよ。俺は幕府の犬でもなんでもない。」

「犬は犬でも、血に飢えた狂犬といったところか?近頃、巷で辻斬りが起こっているとは聞いていたが、噛み付く相手は選んだ方がいい。」

「フッ。生憎俺も相棒もあんたのような強者の血を欲していてねぇ。一つやりあってくれんかね?」


太刀の音がすると共に後ろを振り向くが、刀を見て驚く。


「貴様、その刀!」


だが、己の刀を抜く前に辻斬りはいなくなっており、気づけば桂自身が切られてしまっていた。


「あらら・・。こんなもんかい・・・。」


辻斬りが鞘にしまうと同時に桂は大量の血吹雪を散らせながら倒れていった。

辻斬りは意識のない桂を死んだものと判断し、髪だけを切ってその場を去った。

だが、正確には桂には意識がまだあったのだ。

髪を切られるまで意識をなんとか保っていたものの、徐々に襲ってくる痛みにだんだんと意識が遠のいていってしまう。


「・・・こんなところで・・・・しねぬ・・・。」


もう限界だと思われた時、桂には何処からか歌声が聞こえてきた。



〜♬〜〜♩〜〜♩〜♬〜




とても綺麗な声。

聞いているだけで、心が現れるそんな歌声・・・。


「・・・なつか・・・しい・・・な・・。」


歌声と共に誰かが目の前に来た事に気づいたと同時に、限界を達した桂はその者を見る前に気を失ってしまった。

桂の前に来た者は、意識がない桂の頭にそっと手を乗せた。


「・・・かえろう・・・パパ・・・。」


すると先程まで血が大量に流れていた血が、嘘のように全く消えてしまっていたのだった。
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