銀魂
□第7章:君の事、気にいっちゃった☆
2ページ/6ページ
その後、銀時達は月詠に案内されて秘密の通路で逃がされようとされるが、晴太をはじめとして皆がそれを拒んだ。
母親かもしれない日輪に会いたいだけだと。
だが晴太は、日輪にとっても吉原の女達にとっても大事な子。
そんな子を失う訳にはいかないと、日輪の想いと共に月詠が話してくれる。
日輪の思いを知った晴太は、考えているようで押し黙る。
だが其処に知らない気配の持ち主が現れた。
傘をさし、肌が白く尋常ならぬ血を浴びてる臭いを放つもの。
そう、夜兎が現れたのだ。
しかもその夜兎は宇宙海賊春雨のメンバーであった。
夜兎は次々に増え、攻撃を仕掛けてくる。
目的は晴太のようで、銀時が守るが攻撃をくらってしまい、簡単に奪われてしまった。
最後に現れた若い男に神楽も攻撃され、パイプ菅が壊れてそのまま落ちてしまう。
夜兎達は、晴太を連れて去っていった。
皆生きてはいるが、神楽は気を失ってしまっている。
「吉原の女達は親に売られたものもいるが、その多くは不当な人身売買で吉原に流れついた者。その利権に古くから深く関わっているのが、宇宙海賊春雨。いや、関わるどころか吉原の領主夜王鳳仙こそ春雨で幹部を務めていた男。」
鳳仙は夜兎を統べる力を持ち、宇宙最強の掃除や星海坊主と唯一張り合える男だと月詠が話し出した。
銀時達は喧嘩を吹っかけた相手のデカさに驚くが、想いは変わらず、晴太を助け出すために準備をそていく。
一方、晴太を持ったままの夜兎達は鳳仙がいる遊郭におり、部屋には先程神楽を蹴り飛ばした男がいた。
「これはこれは珍しい後客人で。春雨が第7師団団長神威殿。」
この神威という男、髪の色といい顔立ちが神楽とどことなく似ている。
兄妹なのだから当たり前ではあるが。
神威は大量のご飯を一瞬にして耐えらげていく。
「やっぱり、地球のご飯は美味しいネ。鳳仙の旦那。」
「春雨の雷装と恐れられる最強の第7師団。若くしてその長にまで登りつめた貴殿がこんな下賤なところに何のご用ですかな?」
「人が悪いですよ、旦那。第7師団作ったのは旦那でしょ?面倒くさいことは俺に押し付けて、自分だけこんなところで悠々自適に隠居生活なんて、ずるいですよ。」
「人は老いれば身も心も変わる。その身を潤すは酒。心を潤すは女よ。若い主には分かるんか?」
「いえ、分かりますよ。」
「ほぉ。暫く会わぬうちに飯以外の味も覚えたか。酒か女か、いえ。」
「じゃぁ、日輪と一晩。」
鳳仙はその言葉でピクリと止まり、それを神威は見逃さなかった。
「手土産もこの通り用意してあるんです。きっと喜んでサービスしてくれるでしょ?」
そう言って晴太を差し出してきた。
「嫌ですか?日輪を誰かに穢されるのは。嫌ですか?この子に日輪を連れ去られるのは。嫌ですか?日輪と離れるのは。」
「少し黙るがいい、か「ッハハハハ。歳はとりたくないもんですネ。あの夜王鳳仙とあろう者がたった一人の女すらどうにもならない。女は地獄、男は天国の吉原。いや違う。ここは旦那、あなたがあなたのためだけに作った天国。」神威黙れと言っている。「誰にも相手にされない哀れなおじいさんが、可愛い人形達を自分の元に繋ぎおくための牢獄。酒に酔う男は絵にもなりますが、女に酔う男はみれたものじゃないですな、エロジジイ。」
鳳仙の怒りを買おうと態と挑発めいたことを言っている神威。
その挑発に鳳仙はのり、神威に攻撃を食らわせるもそれは隣にいた遊女に当たってしまい、天井に埋め込まれた遊女は即死であった。
上の命令で査定しに来たことは鳳仙にもお見通しであり、神威の部下達に威圧をかけだす。
「・・いやぁ・・・あんたといえども、春雨と正面から遣り合う気にはなれんだろう?よく考えて行動した方が身のためだ「其奴は困るなぁ。そんなんじゃ、俺のこの渇きはどうすればいい?女や酒じゃダメなんだよ。俺はそんなものいらない。そんなもんじゃ、俺の渇きは癒えはしないんですよ。」
そして二人は乱闘を始めた。
「反目し、殺し合いを演じたと聞いたが血は争えんな。その目は奴の目。その昔、夜兎の王と呼ばれ、君臨した儂に恭順せず、唯一たった一人で挑んできた男。主が父、星海坊主の目。神威、貴様に父がこえられるか?」
「もうとっくに超えているよ。家族だ何だとつまらないしがらみに囚われ、子供に片腕を吹き飛ばされるような脆弱な精神の持ち主に真の強さは求められない。旦那、あんたもあの男と似ているよ。外装はゴツくても中身は女の事しかない。日輪も可哀想な女だ。代替え品でしかない存在なのに、あんたにここまで執着されるなんてネ。」
鳳仙はその神威の言葉に目を見開く。
「あれ?俺が知らないとでも思ってました?知ってますよ。昔あんたが恋い焦がれていたのに、初めて手に入れられなかった女がいるって事。しかもその女、旦那や星海坊主の喧嘩を傷一つ負わずに仲裁できるほど強かったらしいじゃないですか。旦那が惚れ込むのも無理ないですネ。」
それを聞いていた神威の部下達は、初めて聞いた内容に驚愕しだす。
「おい、団長。そんな話し聞いたことないぞ。」
「あれ?知らなかった?昔幾晩にも渡って戦い続けた旦那達をあっさり仲裁させ、二人で取り合うまで虜にさせた女。」
「・・・そんな奴がいたとはねぇ。一体どこの誰だ?」
「さぁ?何せその女は、春雨の幹部が総出になって探しても見つけられなかった幻の女と言われてるみたいだし。」
「・・・ちょっと待て・・・。て事はその女ってのは・・ひょっとして・・。」
「そう。宇宙の守護者であり、あのギャラクシアと呼ばれる伝説の女のことだよ。」
もう言葉も出ず、唖然とするしかない。
「・・そんなのただの作り話だと思ってたぜ・・・。本当に存在してたとはな・・・。」
「俺も寝物語程度にしか思っていなかったんだけどね・・・。俺の母さんとも面識があったみたいで、母さんから教えてもらったのさ。何でも全宇宙の生命を司る程だけあって、絶世の美女とか。ね、旦那?」
「・・・・。」
「それは、是非拝見したいものだな。」
「駄目だよ。幾ら阿伏兎でも譲らないからネ。俺の女にするって昔から決めてるんだから。」
「ッフ。貴様にあの女が捕まえられる筈がなかろう?」
「旦那が捕まえられなかったからって俺もだと思われるのは心外だなぁ〜。俺はあんたとも彼奴とも違う。欲しいものはこの手で掴みとる。」
「ッフッハハハハハハ!!何も知らん若造がぁ。あの女は、確かに極上の女であった。強さも容姿も中身も申し分なかったが、儂ら生きたものには決して捕まえる事ができん。儂らとは別の次元で行きているからな。」
神威はそれを聞き、更に武者震いしだす。
「なにそれ・・・。益々欲しくなった・・・。考えるだけでゾクゾクするじゃないか。」
神威の目は血走っている。
「お主も儂らと同じ目をしておるの。だがな、彼奴はそういう強欲の輩の前には姿を決して現さん。追いかけるのは勝手だが、神威お前の手におえる奴ではないぞ。儂の惚れた女は。」
『私が欲しいの?う〜ん、そうね〜。じゃ鳳仙、鬼ごっこしましょうよ!貴方が私を捕まえられたら、貴方と一緒にいてあげる!もし駄目でも、鳳仙の死に際ぐらいには来てあげるわ。』
『・・・儂が見つけられないのが前提に聞こえるが・・。』
『クスクス。99%無理だと思うわ。でも、残りの1%ぐらいならとっておいてあげる。鳳仙と会えるのを楽しみにしてるわね!』
神威は萎えるどころか、更に燃えだしている様子。
「ッハ!上等だ。俺はあんたみたいに他で代用が効かないからネ。あんたが落とせなかった女、必ず俺のものにしてみせるさ。」
「小童が!!その舐めた口、叩き壊してくれるゥ!!」
そして二人は再度戦いに入るが、阿伏兎ともう一人の部下云業でそれを仲裁に入るも阿伏兎は腕を飛ばされ、云業は死んでしまった。
漸く二人の喧嘩は止めれた訳だが。
神威は鳳仙に呆れ、その場を去っていき、鳳仙も興醒めし、その場から去っていった。