ハイキュー 黒尾

□成長 2年の記憶
2ページ/5ページ










夏休みの補習を受ける者たちが職員室に呼び出された





『〜......ってな訳です
以上で説明終わりだ!何か質問ある奴いるか?


ないなら解散!!帰宅するなり、部活に行くなり好きなように』


先生が立ち去ったので、説明を受けていた者たちも職員室を去った





......今日は放課後、他校と練習試合なのに
何故私は補習の説明??



急ぎ足で体育館へ向かう 遥香










『ねぇ〜2年の駒井さんだよね?
確かバレー部だよな??』


見知らぬ先輩から声をかけられた






『そうですけど?』


......急いでるんですけど



『前に坂田と付き合ってたよな〜』




......ヴ




嫌な顔がフラッシュバックした遥香




『あははは......そうですよ』



『あいつ駒井さんと別れて、すぐ他の子と付き合ってたよ!最低だよな!
まぁ〜すぐ別れたみたいだけどな』



どや顔で話を進めてくる先輩





『そうなんですか』




......知ってるし!!!!!どうでもいいわ!
話題がないからって元彼を出すな!


若干イライラしている 遥香





『何があったか知らないけど
今の坂田、脱け殻みたいになってんだよ
何の気力も起きない感じ!受験生なのになっ!』











『..................へぇ〜そうなんですか』



........私のことで?


顔色が少し変わった 遥香







『ところでさぁ〜補習も一緒だし
駒井さん連絡先教えてよ♪』


遥香に番号を訪ねる先輩








『..................』


…ちゃらい


先輩を白い目で見る遥香








『え〜だめ??
補習落としたらマジでヤバイでしょ?
だから助け合おうよ!』


遥香から何とか番号を聞き出そうとする先輩







............まじチャラ





『先輩〜私たち学年違うから授業内容違うから同じ補習授業ではないですよ
助け合えないです、なのでお互い補習落とさないようにしましょう

でわ!私今日他校と大事な練習試合なので部活に行来ます!失礼します』




......こいつの喋り方うざい



スタスタ歩き出す遥香




『え〜ちょっと!!』


先輩の呼ぶ声が聞こえたが振り向かなかった


そして、そのまま体育館に向かった遥香








『…』


…急がないと

遥香は着替えを済まし、体育館手前の渡り廊下を渡っている時だった












「イヤ!!!」








『?!』



佳苗の叫ぶ声が聞こえた気がした遥香





......何?どうかした?!






聞こえた方に向かう 遥香
体育館渡り廊下の外角を曲がった時だった








『!!!!』






............うそ






遥香の目の前には黒尾に佳苗が抱きついている姿が目に入った












!!!!




『............』



『............ッ』




......どうゆうこと?
佳苗には彼氏が............あ



佳苗と遥香は目があってしまった








「ジリッ......」





遥香は思わずそこから逃げ出した










............クロ




…どうして佳苗と?





全力で体育館に向かった 遥香










『はぁ…はぁ…はぁ…』




......「遥香」



自分の名前を呼ぶ黒尾の顔が浮かんだ











『……クロ』



......取られたくないよ







…クロ…好きだよ




自分の気持ちにようやく気づく遥香























『離せ......佳苗』






『嫌......黒尾が好きなの』




黒尾に抱きつき離さない佳苗








『お前......彼氏いるだろ』



『黒尾のためなら別れる』



『はぁ〜......』


ため息を溢す黒尾





......こんなんで付き合ってる佳苗の彼氏が可哀想だよ



…何なんだよこの女









「ジリッ......」









人の気配がしたと思い後ろを振り向くが、既に人の姿はなかった




『…』




......誰か居た









『............おい
いい加減にしねーと怒るぞ』


黒尾が少し低い声で言うと、佳苗は手を離し黒尾から離れた




『............』




『............』



......ったくよ






『もう俺は諦めろ
他に好きな奴がいる』





『遥香でしょ?』






『…だったら?』





『............』


なにも言わず佳苗は、その場を去った





『......』


......変なことが起きなかきゃいいけど


































まもなくすると対戦相手の高校が来て男女共に練習試合が始まった



いつものように体育館を半分に仕切り、男子と女子に別れて試合を行っているため
公式戦とのコートの広さが少し異なる




今日の練習試合相手の高校は、都内ベスト8の学校なので
そこそこ強いチームであった







『…』


........クロと佳苗のことは一旦忘れよう





…今日の練習相手は都内ベスト8の高校




…絶対勝つ、もっと強くならなくっちゃ





......攻めて、攻めて




...倒す






............クロ
















「バコーーーーン」

「バチーーーーーーーン」

「ピッ」



『駒井!!!!!相手の動きをよく見ろ!!!!!』




『はい!すいません』




『ドンマイ!!!!次行くよ!!』



遥香はタイミングが悪く足に成長痛の痛みが走り、足を気にするようになっていた





「ズキン......ズキン」




『…クっ』





.........こんな時に成長痛が




…何で痛む





......もっと攻めなきゃ





調子が上がらない遥香は珍しくミスを連発していた







『ちょっと!周りをよく見て!』


『どうしたの?!遥香らしくないよ』


『そんなに攻撃に専念しなくていいから』


心配する先輩達





『すいません!!!!』




......こんな時にクロと佳苗のさっきの姿が浮かんでしまう



…集中しろ!!!!!試合中考えるな



......休憩時間、放課後自主練までしたんだ!痛みに負けてたまるか





「ズキン......ズキン」





『......ック』




......もし、この痛みが成長痛じゃなくて
こないだやった捻挫の痛みだったら、どうしよう






「バコーーーーン」

「バチーーーーーーーン」

「バチーーーーーーーン」

「ピッ」



『!!!!!』





......そんな




またもや対戦相手の高校に動きを読まれてしまいブロックされてしまった




『駒井!!!!!』


コーチがベンチから遥香を怒鳴る










『...... 遥香足痛い?』


!!!


『......』


先輩に気づかれてしまった








「ピッ〜」


ついに 遥香はメンバーチェンジをさせられた








『............』



『駒井どうした?お前らしくないぞ?
試合中いつも集中してプレーしてるのに、今日は焦りすぎだ

相手チームに読まれてるではないか』


コーチは遥香に激怒




『…すいません』



『まぁーまぁー
それにしても駒井、今日は足ばかり気にして痛いのか?』



猫又監督は遥香のいつもと違う様子に気付いていた






『................................すいません』



『とにかく足を見てきてもらえ
それと頭も冷やしてこい』





『............はい』


そのままゆっくりと体育館の外に出ていった遥香
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ