ハイキュー 黒尾

□夏休み 2年の記憶
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合宿6日目
相変わらず森然のある埼玉は涼しく過ごしやすいが
夏の日差しが照らし暑苦しい













『皆さん〜父兄の方から差し入れのスイカがありますよ!』


森然高校のマネージャーが呼ぶと、練習試合を一旦止め集まり始めた









『うめぇ!!!』

『夏だな〜』

『お前スイカの種飛ばせるか?』



生徒たちがスイカを貰い、食らい付く


















『ねぇ......クロ』






「モグモグ」

『何だ?遥香』


海、研磨、黒尾で楽しそうにスイカを食べている所に 遥香は腰を下ろす






『..................木兎のスパイクを止める方法ってある?』


少し言いにくそうに話す 遥香




「モグモグ」

『どうした急に?』


スイカを食べながら話す黒尾





『..................この合宿
まだ木兎のスパイク1回もブロック止めることができてない』



ご不満な様子の遥香





『..........................................遥香さん
本当に練習熱心ですね』



『研磨が熱意が足りないだけで、音駒は皆熱心だよ!
研磨も遥香を見習ってみるのは?』


海がニコニコしながら研磨に問う





『............ついていけなくなる
自分のペースがあるから』


『まぁ〜そうだな』


『研磨が熱心にやるのはゲームやる時じゃね?』


『........................そんなことないよ』

「モグモグ」


横目で黒尾を見ながらスイカを食べる研磨






『..................』



......今日の夜が自主練最後になるのに




…せめて





『 遥香』


スイカを食べ終えた黒尾は、自分の手についたスイカの汁を舐めながら話始めた






『ブロックで一番大切なのは
何だかわかるか?』






『......高さ?』



遥香の答えに首を横に振る黒尾





『タイミングだ』


黒尾の目付きが変わった




『......!』



『嗚呼......相手が打ち下ろしてくる瞬間、ブロックする者は自分の最高点に差し掛かるように飛ぶ
タイミングさえあえばドンピシャでスパイクを止められる』





『............タイミング』




『まぁ〜本当は俺も人に教えるほど上手くないんだけどな
全国行けなかったし』




『クロ
全国行けなかったとか関係ないよ

この合宿の中で、クロが一番ブロック上手いじゃぁん』



『え』



『上手い人って
全国行けたか、行けてないかの結果じゃなく
他校の選手たちが、あの人上手いって警戒されてることでしょ?』



『!!』



『クロはもっと自分に自信つけた方がいいかもね
自分に自信がつけばチームの士気も上がるし』





『おう!!』


なんだか嬉しそうな黒尾






そしてスイカを食べ終えた後は
再び練習試合を開始した



















「......ドサッ」


『おい!!!大丈夫か!?』

『どうした?!』


梟谷と音駒の試合審判をしていた梟谷生徒が、突然熱中症で倒れてしまった



倒れた生徒は梟谷マネージャーの雪枝と監督たちに連れられ保健室に向かった






『流石に合宿6日目
皆疲れが出ちゃってるのね......』


選手たちの顔を伺うかおり





『審判の代わりどうする?』

『今空いている奴いるか?』


周りを見渡すが、手が空いてそうな選手は数名いるが皆疲れ果てて嫌な顔をしていた




『ペナルティーで外出ている奴等待つか?』


『それだと試合遅くなるぞ』


『ここにいる奴の中でやってもらうしかないだろ』


相談する梟谷と音駒の両主将





















『私、審判やりましょうか?』

梟谷、音駒の中断している試合に入る遥香



『え!!!いいの?!』



『バレーやってるので審判も出来るし
やる人いなければやります』



『......頼む』




そして 遥香は梟谷vs音駒の審判をやるとこになり、審判台に立ち試合を再開した






「バチーーーーーン」


!!

『ピッ』



......此処に立つと迫力が増すな
でも......すごくいい場所



遥香は審判台から選手たちの動きをよく観察した







「 バチーーーーーン」


『ピッ』



『うぇ〜い』

梟谷のブロックを止め喜ぶ黒尾



『黒尾!!
お前今日、やけに調子いいな♪』


『流石だな♪』



音駒の先輩方も喜ぶ





『あざっす!!』








......クロ









『あいつに調子乗らせるな!!』



反対側のコートから木兎が騒いでいた






『ピッ』



......うるさいよ....木兎


試合の笛を鳴らす 遥香




「ピッ」

「バコーーーーン」


『くっ!!!』






「ピッピー」

猫又監督がタイムアウトを取った









『…今日の木兎は調子がいいな
しかし上がらせては行かん』


『はい…でもどうやって止めます?』

3年生たちは猫又監督のアドバイスを待った





『どう思う?………研磨』



!?
?!


『研磨?!』

驚いた3年生たちは研磨を見た






『ーー!!!』

視線が集まり驚いた研磨は落ち着かない様子






『研磨、お前は観察力が優れている
かつ、冷静な判断で勘が鋭い
それも又、チームの柱になる!』



『え!!!』
『研磨が?!』


驚く3年生たち





『…』


黙り込む研磨




『研磨、わしはお前の能力を評価している、
チームを勝利に導くため、お前の意見を教えてくれないか?』


『…』


3年の視線が気になり言えない研磨





『なんだよ、対策あんのかよ』

『早くしねーとタイムアウト終わる』

グズグズしている研磨にいらだちを見せる3年生たち







「…ポン」




黒尾が研磨の肩に手を置くとホッと安心し、研磨の口を開いた








『…………あの、木兎さんの..〜』

勇気を出し皆に意見を話した研磨




















再び試合が始まる

「バチーーーーーン」

「バーーーーーン」

「シュ......」


「バコーーーーーーーーーーーン」


木兎のインナースパイクが決まった


!!


『ピッ』



............やっぱり凄い




『しゃぁぁああ!!』


大喜びする木兎




『............』

遥香は審判台の上からじっくり木兎の動きを観察した







『こっから巻き返しだぞ
フクロウヘッド』

ニヤリと笑う黒尾






『どんと来やがれ!!!』


音駒も追い返しを見せていた
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