ハイキュー 黒尾

□男子たち 2年の記憶
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ついに音駒男子バレー部は梟谷グループとの合同遠征合宿が始まった





遥香は補習......
明日のテストに受かれば、埼玉の森然高校へ行き音駒男子バレー部マネージャーをやる手はずになっている



受かれば






















『..............................あつい』



学校で補習を受けている遥香
休み時間、自動販売機へ行き飲み物を買いひと休みをしていた






『..................明日行けるかな』



......クロ何してるかな




遥香がジュースをすすりながら考えていると












「.....タッタッタタタタ」

『はぁ......はぁ......はぁ......ッ!!!!!』



突然野球のユニホームを着た男性が、息を切らしながら自動販売機にやって来た








『............』




......暑いのに



....走って来たよ、この人




ジュースを飲みながら、野球男子を不振な目で見る 遥香






『はぁ......はぁ......ぁ!!!!!』



すると野球ユニホームを着た男性は自動販売機の物陰に身を隠した






『??』


......どーしたんだろう?



男性の行動を不思議に思う遥香





























『すいません〜
此方に誰か人通りませんでしたか?』



野球部の男性が身を隠した直後
3人組の女子生徒たちが現れ、遥香に声を掛けてきた






『............』


ジュースをすすりながら身を隠してる男性を横目で見る遥香





『..............』


男性の顔は少し青ざめていた



遥香は男性の気持ちを察し
ジュースを飲んでいるストローから口を離した





『嗚呼〜人ならあっちに行きましたよ』



適当な方角を指さし3人組の女子生徒に教えた





『ありがとうございます♪』
『でわ〜』


嬉しそうに 遥香が指した方角へ走っていった

















『............ありがとうございます
助けてくれて』



女子生徒たちがいなくなると、自動販売機に身を隠していた男性が出てきた

男性は背が高く、深く帽子を被っていたためよく顔が見えなかった







『イヤ、大したことはしてないよ
それより君、追われてるってことは
あの人たちに何かしたの?』


男性を心配する 遥香





『何もしてないよ』



『そうなの?』



『...あの子たち、しつこくて困ってるんだ
野球の応援うるさくて目立つし
まぁ......応援はありがたいんだけど』


汗をぬぐいながら話す男性






『そうなんだ』



…モテるんだ




......野球部ってモテる人多いのね




......でもそれって





『それって注意しないと自分だけじゃなくて周りの人も迷惑じゃない?
嫌なものはハッキリ教えてあげないとずっと困るよ
応援してほしいなら尚更言わないといけないんじゃない?』

















『そうだな............ありがとう』


ニコッと笑う男性






『いっぱい応援くるってことは野球部って強いの?』




『え......知らないの?
今いちよう準決勝まで進んでるんだけど』






『えぇええ!!!!そうなの?
全然知らなかった!だからあんなに応援されてるんだね
今、教室まで女子たちの声援聞こえたから』



『そんなに騒がしかった?ごめん』



『いやいや......君が謝ることじゃないでしょ?
でも女子たちに応援されて気合い入るでしょ?』




『まぁ......うん、そうかな

駒井さんは今日補習?』





『そうなの〜............ん?
あれ?私、君に名前言ったっけ?』





『駒井 遥香さんでしょ?
前から知ってるよ』





『…?』



........あれ?






…私この人と知り合いだっけ?



彼を思い出そうとする遥香







『2組と3組、体育合同で一緒でしょ?俺3組だから前にサッカーボール駒井さんに蹴ってもらった時に変な方向へボール飛されて大変だったから印象的で覚える』



『あ!あの時の!』


…確かそんなこともあった



その後足を痛めているので、うっすら覚えていた遥香



『それに駒井さん、よく体育館で遅くまでバレーの練習してるでしょ?
だから知ってるよ?努力家だって』







『努力家なんて〜そんなこといよ♪』



努力家と言われ照れる 遥香






『駒井さんっていつも楽しそうだよね』



『え?何で?』



『いつも友達と笑ってる
よく友達とじゃれてるでしょ?

こないだだって同じバレー部の人たちとエアバレーやってて、楽しそうだった』




『嗚呼......あれね〜馬鹿なだけだよ
男子の方がもっと馬鹿なことするでしょ?』




『俺は.....野球か、受験勉強ばっなりで青春らしいことしてないかな』




『受験勉強??』






『嗚呼、今から勉強してる
俺A大行きたいから』




『えぇええ!!!!!A大!?
............めっちゃ頭良い』







『まだまだでね…
親に野球辞めた方がいいって言われてるくらいなんだ』


寂しそうな顔で話す男性




『はぁ?!何それ?!
せっかく甲子園の切符が手に入りそうな高校の野球部入れたのに
部活より受験!?ありえない』



『......成績落ちゃって』





『勉強が足りないのは当たり前だよ
まだ2年生だよ?これから頑張れるし
今から心配することではないでしょ
男なのに親に言われた通り生きてどうする?

今やりたいこと成し遂げなければ、将来やりたい仕事についても成し遂げられないでしょ』




ーーー!




『そうだな
なんか、ありがとう』



男性の顔つきが変わったかのように見えた遥香




『え!?なんか、いいえ』



『駒井さんって意外と、しっかりしてるんだね』


にっこり笑顔を見せる男性は、顔を上げ帽子を外した





『!!』



…あ




......世間で言うイケメンか




男性の顔をようやく見た遥香











『 駒井さん〜
補習授業始まるぞ!!明日のテスト受かんないと合宿行けないんだろ?!』


遥香を呼ぶ先生






『ヤバ............今いきます!!!!』


大きな声で答える 遥香






『俺も、そろそろ部活戻るね
今日は駒井さんと話せてよかった
ずっと話して見たかったから!』








『そうなの?』




『またね』


男性は帽子を被り部活に戻っていった






『あ......また』




…あれ?




......あの人の名前は何??
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