ハイキュー 及川

□体育大会
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遥香が目覚めたときは既に夕方で、体育大会も終わっていた






『......寝すぎちゃった』



『「寝すぎちゃった」じゃないわよ!!』

『朝から様子変だったけど
ただ単に眠いだけだと思ったし』


『体調悪いなら言いなさいよ馬鹿』


保健室にて彩夏、ちなみ、京子からお叱りを受ける遥香





『そうよ駒井.....熱中症は怖いんだからね
それにあなた色白で血色悪いんだから貧血になりやすいタイプでしょ?
長時間太陽の下にいる時は帽子被りなさい』

保健室の先生に注意をされる



『.....ごめんなさい』




『駒井さんは今日部活休みなさい
打ち上げもダメよ
皆は早く部活に行きなさい』






『ならうちらだけで、後日また体育大会の打ち上げやろ』



『ありがとう!みんな打ち上げ楽しんできてね』



『遥香
あんまり無茶すんなよ』

『おてんばもほどほどに』


『ありがとう金田一も国見も心配かけてごめんね』

金田一、国見も保健室で休んでいる遥香の様子を見に来てくれた




『金田一、遥香のことすっごく心配してたんだから』


『すごくじゃねー』

金田一をからかう彩夏




『金田一くん〜顔赤いぞ』


『赤くなってねーしっ
っうかおめーらうるせっ!!!!』


彩夏に続いて京子も金田一をイジった


『そんな必死になるなよ』
『可愛いんだから〜♡』

ケラケラと保健室に笑いが溢れた





『うるさい!!!保健室で騒ぐな!!
早く部活や打ち上げに行きなさい』

保健室の先生が皆んなを追い出した








『?』

枕の横に落ちている濡れているハンカチを拾う遥香





『..先生、私どうやって保健室に来たんですか?』




『覚えてないの?
3年の及川が駒井を運んでくれたんだよ
及川に感謝するんだね』






『!!』





…及川先輩が?




…意識が遠くなる前に居たような気がしたけど












〜゜。*


.....本当だ



…ハンカチから及川先輩の匂いする




…先輩


しばらくしたあと遥香も保健室を出て教室に戻り
制服に着替え、その足で体育館へ行ってみた








『.......』


…バレー部いた



…体育大会の後だから今日は及川ファン少ないな



邪魔してはいけない、そう思い引き返そうとした遥香






『駒井?どうした』


『岩泉先輩!』


ジャージ姿の岩泉と遭遇した








『....体育大会で及川先輩に助けてもらったので、お礼をっと思ったんですが
練習の邪魔になるので後日改めます』

軽くお辞儀をする 遥香





『いやあいつら(及川ファン)はいつも気にせずキャーキャー騒いでるぞ
体調よくなったのか?』

顎で及川ファンを指す岩泉



『お陰様で
岩泉先輩はこれから部活ですか?』



『体育大会の委員会だったからな
駒井、お前それで帰るのか?』


遥香が着ている夏の制服を指す岩泉





『これで登校したので』




『日中は日差しが暑かったけど
風が出てきて冷え込んでるだろ?
上着ねーのか?』



『暑かったので持ってきてないです』




『まだ完全に体調完治してねーのに、それだとダメだろ!


これ着ろ!!!!!これ着て帰れ』

着ていたジャージの上着を脱ぎ遥香の肩に掛けてくれた岩泉




!!


『でも岩泉先輩が.....』



『これから部活で動く
それに俺は暑がりだから大丈夫だ』


『ありがとうございます』

…優しい

岩泉にじ〜んとする遥香





『駒井、ここで少し待ってろ
すぐ戻るから』


岩泉が体育館の中へ入って行った






『…』


一人残された 遥香は夕焼け色に染まった綺麗な空と運動場を眺めた






『.......』



......本当だ



…あんなに暑かったのに風が出てきて涼しい








.......そういえば体育大会の結果は?



風にたそがれていた遥香





『駒井呼んできたぞ』


岩泉は及川のファンに目立たないように及川を呼んでくれた










『く…くのいっちゃん
もう具合大丈夫なの?』

何処か緊張気味の及川






『お陰さまでだいぶ良くなりました
及川先輩が保健室に運んでくれたと聞きました
助けてくださり、ありがとうございます』

深々と頭を下げる 遥香







『元気に戻ってよかった
運んだ時は気失ってたからね!!!!!

体調悪いときは言おうね♪』



『はい!

岩泉先輩及川先輩呼んで頂きありがとうございます』





『別に大したことはしてねーよ

それより風当たり気つけろよ』





!!!!!



遥香の肩にバレー部のジャージが掛かっているのに気づいた及川





『その上着、岩ちゃんの?』



『風冷たいからな
弱ってる体には辛いだろ』

当然のように言う岩泉




『すいません.....気つかって頂いて
明日返しますね』





『…及川さんのがあるのに』ボソ



『へ?今何か言いました?』

及川が呟いた言葉を聞き取ることが出来なかった遥香






『いや!何も!!

それより...... くのいっちゃん
及川さんが保健室に連れていった時、何も覚えてない?』





『え??

すいません.......覚えてないです』






『そうだよね』



......聞いてどうするんだ


頭をポリポリかく及川





『及川先輩が声を聞いたら私安心しちゃったんですよね』


『え?』
『は?』

目を丸くして驚く及川、岩泉



『変な意味ではなくて
その……死にそうだったので

私の救世主ですね及川先輩は』






『いや〜救世主だなんて〜☆
たまたま水場通っただけだよ』


遥香に救世主と言われ大喜びの及川





『駒井...こいつを調子のらせるな
めんどくさいぞ』

『岩ちゃん〜☆』


岩泉にイラつかれているが御構い無しの及川



『ッチ.......んじゃぁ、そろそろ俺ら練習戻るわ
駒井気お付けて帰れよ!行くぞ』


岩泉は及川を引っ張った



『ヴっ!!!!良いところなのに
じゃ〜またねくのいっちゃん!
ゆっくり休んでね!』


手を振りながら体育館に戻る及川



『及川先輩ハンカチ明日洗って返しますね
今日は本当にありがとうございました』




『明日待ってるね♪』


及川は嬉しそうに体育館に戻り、遥香は家に帰宅した





















『何がたまたま通りかかっただ』


『え?何か言った?岩ちゃん』



『駒井にさっき「たまたま水場通っただけ」って嘘だろ

リレー走り終えた後
結果発表も見ずに駒井のあとを追っただろ?俺は知ってるぞ』

一部始終を見ていた岩泉





『さすが岩ちゃん〜』



『ヘラヘラしやがって..
お前本当にどーすんだ』






『どーって?』





『及川の彼女と駒井遥香
どっちにするんだよ』

岩泉の質問に目を丸くした及川




『え?どっちって俺くのいっちゃんのことは妹として見てるよ』




『俺はそうには思えない
よく考えてみろ、思い返せ』
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