ハイキュー 及川

□体育大会
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昼休み

炎天下の下でお弁当を食べる生徒達


生徒たちが浴びている日差しは午前中より更に照りあげ、暑さも増していた


皆水分補給をまめにして
熱中症にならないように先生たちが呼び掛けていた







だが.......すでに自分自身熱中症になっていることにも気づかない者がいた















『 遥香』





『......何?』



『お弁当食べないの?』

心配する京子




『なんか食欲湧かない』



『午後の競技に気合いが入らないよ』




『そうだね…ちょっと食べとく』

弁当を食べ始めた遥香





『遥香さっきより顔色悪くない?』


遥香の顔を伺うちなみ





『そぉ?』



『青白いっていうより青い』



『青いって…』



『水分取りなよ』

遥香を心配するちなみ





『ありがとう』




昼休み明けすぐに部活対抗リレーが行われた
恒例のユニホームに着替えリレーを行う










『くのいっちゃん?!』



『……及川先輩』


…声大きい


部活対抗リレー出場者が集まる場所へ行くなり及川に大声を出された



『お〜遥香ちゃん達!』


『こんにちは』
『こんにちは』
『こんにちは』



『いいね〜スカート姿♡』

『皆んな可愛いじゃぁん!』


遥香達にグーサインを送る松川、花巻



『え〜そうですか〜?』
『ありがとうございます』




『こんなスカート短いの履いて試合出てるの?』

遥香のスカートを指差し驚く及川




『……ですね』


『セクシーすぎるでしょ!!』




















各ブロックに分かれ、コースに入りバトンを待つ
遥香はDブロック2週目を走る









『.....』





…お弁当無理に食べなきゃよかったかな


…気持ち悪いかも



…頭もガンガンしてきた


この時遥香体調は更に悪くなっていた



『…』


…でもやるしかない


…私の代わりいないし


日差しを浴び続け頭は重く、目はチカチカし始めていた






『 遥香ちゃん大丈夫?』



同じDブロックで3週目出番の及川
バレー部代表でアンカーの及川はタスキを肩にかけていた




『....へ?』



『くのいっちゃん顔真っ青だよ』



『本当ですか?私は大丈夫ですよ』


及川に気を使わせないため、無理に笑って見せた遥香






『遥香ちゃん
大丈夫って顔してないよ』




『ーー!!』

及川に作り笑顔を見せて言うが見破られてしまった遥香




『おい!第2レース走るテニス部の子
早くレーンに入りなさい』

先生に呼ばれた遥香





『待って!!』

及川が 遥香の腕をガシッと掴んだ

しかし先生に早くコースに入れと怒られてしまい 遥香はレーンの位置についた





『遥香!お願い!!』

『…ハイ!!』

バトンを渡され力一杯走った遥香



無我夢中であった




『ハァ……ハァ……』

走っている途中、頭の重みが増し、目の前が霞んで見えてきた遥香



しかし、なんとしても次の人に繋げなくてはいけないと言う思いが強かった為



『……ハイ!!!』

『任せろ!!』

必死堪え次の人にバトンを渡し出番を終えることができた




『…』


…頭痛い


…気持ち悪い

本気で走ってしまったため遥香の体調の悪さはピークに達していた




『……』


…水


リレーを見ていられなくなった遥香は、盛り上がりを見せている中

1人ひと気の無い水場にフラつきながら向かった








『……』


…やばい




…目が

















『駒井遥香さんよね?』

水場を目前に女子2人に声を掛けられた遥香





『......はい』


…誰?





…ぁ



…隣のクラスの


ヨロつきながら返事をする遥香





『あなたが1人になるのを待ってたの
あなたの周りうるさいからまともに話せないと思って』

『及川先輩の件で話したかったから』

腕を組みながら話す二人組女子1年





『……はぁ』


…また及川先輩


…2年、3年に続いて1年



…それより水を


つくづく及川と知り合ってからろくなことがないと思った遥香







『私達も及川先輩と仲良くなりたいの
だから駒井さん仲を取り持って欲しいんだけど』





『……はぁ』


…何を言ってるの、この子は


彼女たちの発言に顔が引きつってしまった遥香






『そんな嫌な顔しないでよ』

『みんなの及川先輩なんだから』




『……はぁ』



…自分勝手な子達





…もうダメ


限界が訪れその場に座り込んでしまう遥香







『ちょっと!聞いてるの?!』

『真面目に話してるのに聞きなさいよ
それで及川先輩なんだけど』

彼女たちは続けて話をしていた





『……』


…もうダメ


もはや遥香の耳には彼女達の声は届いていない
























『くのいっちゃん!!!!!』


リレーを終え 遥香の後を 追ってきた及川がやって来た





!!


『及川先輩!?』
『えっ!及川先輩♡』


及川の姿に喜ぶ彼女達








『くのいっちゃんまだ意識ある?』

『……』


及川が遥香に尋ねるとゆっくり頷いた





『何?どーしたんですか?』
『え?どーゆーこと?』

状況が読めない彼女達





『君達遥香ちゃんの友達?』



『そうです♡私有紀って言います』
『私は美穂です♡宜しくお願いします』

及川が尋ねると嬉しそうに答えた彼女達





『本当に友達なら気付くよね
遥香ちゃん凄く体調悪いんだよ』



『へっ?!』
『そうなの?!』

驚く彼女達




『この状況で友達より俺にあいさつ』


『……』
『……』


及川こ言葉に何も言えない彼女達





『遥香ちゃん保健室行こ』




『......』

及川に安心したのか遥香はそのまま気を失ってしまった




『おっと!』
『っ……』


及川が遥香を抱きかかえた




『ぇ……及川先輩』
『うそ……やだ』

及川が遥香を抱きかかえる姿を目の当たりにしてショックを受ける彼女達


及川は 遥香を抱き抱えながら保健室へ向かった













『……』


......全く



......無理しちゃってこの子は





及川は遥香を抱えながら校内を歩くと、校内に残っていた数名の女子生徒たちに見られ騒がれた




「キャーーうそでしょ!?」
「なんで!!!どうしたのあの子!!」
「キャーー!及川くんどうして!?」





悲鳴が聞こえた








。゜。**゜




『…遥香ちゃんの匂いだ』




……シャンプーの匂い





…寝顔こんな顔するんだ







…可愛いな



保健室に着くが先生はいなかったので

とりあえず 遥香をベットに寝かせ、ハンカチを濡らし遥香のおでこに置いた及川




『先生を呼びに行かないと』


チラッと寝ている遥香を見る及川





…スカート姿はずるいよ





…可愛いじゃぁん





「及川先輩みたいなサーブが打ちたい」

ふと頭に遥香に言われた言葉がよぎった及川




『……』


寝ている 遥香をじっと眺める及川





『……』


......もっと遥香ちゃんのことが知りたい



…もっと遥香ちゃんと一緒にいたいな






…もっと近づいてもいいよね?




及川はベットで寝ている遥香の唇をそっと奪った
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