深縁のディスペア


□決意
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一か月たったけど、奴らは目立った動きを見せない。

「イ″あ″〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

弓親が悲鳴を上げながら斬魄刀を岩にぶつけている。

「くそっ! くそっ! この野郎!
くそっ! くそっ! 折れろ! 折れちゃえチクショウ!
あ〜〜〜〜〜〜〜ムカつく〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「煩い! アンタちょっとは黙ってできないの!?」

乱菊が鞘を投げつけて黙らせた。

「だって藤孔雀の奴ムカつくんだもん! こいつ高飛車だしエラソーだし、自分のこと世界一美形だと思ってるし、もー最悪だよ!
僕絶対こいつのこと具象化できないと思うんだよね! ていうか頼まれてもしてやるもんか!」

訂正、黙ってない。

「何言ってんの、アンタにそっくりじゃない。うちの灰猫なんて我儘だし気分屋だしぐうたらだし馬鹿だし、ホントそりが合わないってこういうのを言うのよね」

「わーソックリ。乱菊さんって絶対写真に写った自分みて「あたしこんな顔じゃなーい」とかいうタイプだよね」

そこから乱菊との取っ組み合いが始まった。

「君たち煩いわよ」

「だって隊長〜」

「だってじゃないわよ。大体君たちのなんてましな方じゃない」

小雪那のことを思い出す。

「うちのなんて力使いたい時ほど怠けるくせになんでもない時にやたらと霊圧使うわ、勝手に具象化して女性侍らせに行くわ、夜中に発情した獣みたいな声で時空間定理にいて四六時中叫ぶわ、寝ようとしたら脳内に超音波仕掛けてくんのよ、うちのクソビッチ」

「それ本当に輪花隊長の斬魄刀なんですか……?」

「隊長と真逆じゃないですか」

「そうよ……。この前だって、小雪那のせいで三日間眠れてないのよ……」


「あれに比べればうちの灰猫がだいぶましに思えてくるわね」

「ご愁傷様です」

対話なんてしたくないのよ。
したいときにしてくんないんだもの。
卍解だって、手にした瞬間から始解と同時に習得してたし…………。

ただ一人、まじめに対話にいそしむ一角が空を見上げた。

雲が早くなる。
空間に亀裂が入り、一瞬奥に入って開いた空間から破面が現れる。

「破面……!? そんな……早すぎないか、いくらなんでも……!?」

「元々こっちの予想があたってる保証なんてなかったわよ」

この前来ていたと思われる青い髪の破面は別方向へ向かった。
奴が向かった方向には一護がいる。
おそらく、心配する必要はないでしょう。

とりあえず死神化して、一番でかいのに斬りかかる。

「十番隊隊長、輪花アゲハよ」

「奇遇じゃねえか、俺も10だぜ。破面10、ヤミーだ」

「十刃ってやつね」

「よく知ってるじゃねえか。ずいぶんと口の軽いやろーと戦ったらしいな」

乱菊達も他の破面たちと向き合う。
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