深縁のディスペア


□拒絶
1ページ/12ページ

「で、どこの教室でしたっけ?」

現世の空座町の高校の廊下で恋次が聞いてきた。

「知らなーい」

と乱菊が即答する。

「いやほら、向こうでるときメモ持ってたじゃないすか」

「あァ、なくしちゃった♡」

「なく……ちょっと! 何してんスか!」

「ガタガタ言うなよ霊圧探りゃいーだろが」

「だって俺、これ入んの初めてなんスよ?
中々霊圧のコントロールが……」

「下手クソですいません」

「下手くそじゃねーよ!
つーか、何でアンタが一番シレッとしてんだよ!」

「しっかし窮屈な服だなァ、おい」

「じゃあ僕たちみたいにスソ出せばいいのに」

「バカ言え!そんなことしたら腰ひもに木刀がさせねえじゃねーか」

徐々に周りが私たちを見る目が同じものになっていく。
ここは本を読みながら気づかないふりをしましょ。

「大体オメーラが真剣は駄目だっつったから俺は木刀で我慢してやったんだぞ!」

「僕らが言ってんじゃないの、法律が言ってんの」

「イミわかんねーよ真剣がダメって! どういう法律だよ!」

「煩いわよ」

少し声を低くして言えば一発で黙った。
最初からそうすればいいのよ。

1−3と書かれた教室のドアを開ける。

「おーす! 元気か一護!」

「……れ……恋次! 一角! 弓親! 乱菊さん! アゲハ!」

思っていたよりは元気ね。

「お前らなんでこっちに……!?」

「上の命令だよ。“『破面(アランカル)』との本格戦闘に備えて、現世に入り死神代行組と合流せよ”ってな!」

「アラン……ってなんだ?」

「あァ!? 何だお前、相手が何者かも知らずに戦ってやがったのかよ!?」

「たわけ! 貴様がこの間ボコボコにやられた連中の事だ!」

ルキアが窓から入り、仁王立ちする。

「……ルキア」

「久しぶりだな、一護!」

「ル、ルキア……」

ルキアは登場早々に一護にとび蹴りをかまし、それを恋次が押さえつけ、数回平手打ちした後、魂魄を引きずって出て行った。

「やっぱりこうなったわね」

「そっスね。まったく世話の妬ける野郎だ……」

「まァ、あんだけ腑抜けた面見せられちゃああしたくもなるだろうぜ」

「そォ? へこんでた顔もあれはあれでそそるもんがあったわよ♡」

「どこが!? そそるもんなんかないね!」

「別にアンタに同意も止めてないわよ、弓親」

「じゃあ誰に同意も止めてんの! 一角?」

「なんでだ馬鹿野郎」

どこまでも煩い連中。
何を言ったところで無駄でしょうね。

人間がこちらを異形な目で見てきた。
怯えながら呟いた単語の中に一角の地雷を踏み、ますます騒がしさが増した。

「……知能の低い馬鹿猿が」

聞こえない様に呟く。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ