Short Story

□ぼくははらぺこ
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またかよ。

彼女と仲良く話す俺の部活仲間(それもすごく気が合うヤツ)を見て苛立つ。ただ話してるだけならいいけど、あいつらは距離が近すぎる。
楽しそうに笑う2人を見るのはなかなかムカつく。心が狭いと言われればそれまでだけど。

あ!アイツなまえの頭撫でやがった!

ふつふつと湧き上がる感情が自分の心の中を真っ黒に染めていく。その髪に触れていいのは俺なのに、そいつの笑顔を俺が一番近くで見てたいのに。

俺の痛いくらいの視線に気づいた研斗は、こちらを見てため息を吐いてなまえに何か言いながら俺を指差す。
研斗の指先を辿ったなまえと目が合う。


「冬馬?」


ずんずんとなまえに近付いて行くとなまえは不思議そうに首をかしげた。かわい。…じゃなくて!


「わ!ちょっと冬馬!」


ぐしゃぐしゃとなまえの頭を掻き回すと怒ったような笑ってるようななまえの声が聞こえてくる。目の前に座る研斗はやれやれと言うようにため息をついて席を立つ。


「研斗ー?」


なまえの視線が俺じゃなくて研斗に向く。それすら今はイラついて、無理やりなまえの顔をこちらに向かせる。目を白黒させるなまえも可愛い。


「ばかなまえ。」


俺の言葉に意味がわからないという顔をするなまえはやっぱり可愛い。




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