恋乱LB U

□カップルしりとり〜with幸村
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「ん!美味い!」

「本当…美味しいよ名無しさんさん」

「ありがとうございます!」

揚げたてのどうなっつに幸村様も信幸様も喜んでくれたみたいで、次々と止まらない手に私も素直に嬉しさを感じた

「名無しさんの作ったどうなっつに、御屋形様から頂いた上等な酒…今夜はいい夜だ!」

少しずつ酔いが回ってきた幸村様は大袈裟にそんなことを言いながら、ガブガブとお酒を流し込む

「幸村…部屋には運んであげないよ」

「むっ…相変わらず才蔵は変わらないな…それに俺はちゃんと自分の足で部屋に戻れる!」

「はははっ。幸村はあまり酒に強くないからなぁ…」

「兄上までっ…」

楽しそうな三人のやりとりに、つい私も顔が緩む

信玄様から頂いたというお酒は本当に美味しくて、あまりお酒に詳しくない私でも上等なものだとわかるほど、呑みやすい

「ちゃんと呑んでるか名無しさん!!」

既にできあがった幸村様に声をかけられた、ただそれだけで沸々と笑いが込み上げてくる

「ふふっ…呑んでますよ幸村様!きゃはは!」

「……はぁ」

「驚いた…名無しさんさんは酔うと笑い上戸になるんだね」

笑い続ける私と幸村様、全く変わらない才蔵さんと信幸様


「そろそろ眠くなって来たし、俺は先に失礼しようかな」

「えーっもう行かれるんですか…信幸様…」

「明日も早いしね。今日は美味しいどうなっつを御馳走様。それと可愛らしい名無しさんさんも見られたしね…」

サラリと普通に言って退ける信幸様に、思わず顔が赤くなる

「じゃあ、お休み」

「…お休みなさい…」

「兄上、お休みなさい」

「…………」


ニッコリと笑顔のまま部屋を後にした信幸様



すると何かを思い出したように、才蔵さんが口を開く



「あれ、名無しさん。幸村としりとりするんじゃなかったの?」

「っ!」

「…しりとり?」

(すっかり忘れてた…)

「そ。何でも幸村とやってみたいらしいよ」

「俺と…しりとりを?」

「あっあの…普通のしりとりじゃなくて…幸村様が女性に言われたいことしりとりでして…」


そこですかさず、私が説明を始めると困惑していた幸村様が次第に顔を赤くした


「なっ…何だその恥ずかしいしりとりはっ…」

「あれ?嫌なの幸村」

「ばっ…そんな恥ずかしいこと出来るわけないだろう!」

「へぇ…じゃあ幸村の負けね」

「なっ!何故そうなる!」

「試合放棄は負けでしょ」

「よ、よーし!わかった!やってやろう!しかし才蔵が負けたら、毎日ちゃんと稽古に参加するんだぞ!」

「別にいいけど…幸村が負けたら何してくれるの」

「お…俺が負けたら何でもお前の言うこと聞いてやる!」

「ふーん。そりゃ楽しみだ」

ニッコリと笑顔を浮かべる余裕の才蔵さんと、まんまと才蔵さんの口車に乗せられた幸村様

そしてオロオロと困惑気味の私を交えて、運命のしりとりが始まったー…


















「"ずっと一緒にいたい"の"い!"」

「"いっぱい抱いて"の"て"」

「っ…て?う〜〜〜ん…」


開始早々、すぐに頭を抱える幸村様

「あれ?もう降参?」

「ばっ…馬鹿!考えてるだけだ…決して降参では…」

「早くしてよ。さーん、にーい…」

「わっ!てっ…"手を…繋ぎたい"のい!"」

「わあ…手を繋ぎたいだなんて…幸村様何だか可愛い…」

「いっ…言うな…何も言わないでくれ…」

「幸村顔真っ赤」

「うるさい…ほら名無しさん、"い"だぞ」

「い…"一緒に色々な所に行きたいね"の"ね"!」

「"寝かせたくない、今夜は"」

「は…?は…は…"花より団子"!」

「……本当にそんなこと言われて嬉しいわけ」

「…花より団子は才蔵さんのためにある言葉ですよね…」

「…適当なこと言ったら幸村の負けだよ?」

「なっ…決して適当では…って!才蔵!お前こそっ…その…へ、変なこと言ってるじゃないか!」

「別に普通だけど」

「ふっ普通なわけあるか!」

「だって女に言われて嬉しいことなんでしょ?そんなの人それぞれだし」

「うっ…」

(幸村様…すっかり才蔵さんに圧倒されてる…)

顔を真っ赤にさせながら、尚も食い下がる幸村様と、飄々とそれをかわす才蔵さん

何となく勝負は見えていたけど…まさかこんなに早くつくとは…


「んで、やるの?"は"だよ」

「やっ…やる!は…」


さて、幸村様はどんなことを言うのか…?固唾を飲んで見守っていると、ハッと何かに気付いたような表情をした幸村様が口を開いたー…















































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