怪盗X

□星に願いを
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「今日はどこいく?」


「ぅ〜〜〜〜〜ん…と」



二人とも仕事が休みの土曜日


家にいても暇だし、どっか行くかという話し合いをしていた



「早く決めろよ」

「えっと…って!拓斗さんも考えて下さいよ!」


「人混みは苦手」


「もう…今日は土曜日だし、どこも混んでますよ…」



再び顎に細い指を当て考え込む名無しさん 

その仕草が可愛らしくて思わず顔を背けた




(いちいち反応してたら体が持たねー…)


昨夜も名無しさんを激しくこの手で抱いたばかり


自分にこんな元気があったとは…






自分の手に目を落とし、昨夜のことを思い返す




「んっ、拓斗さ、ぁっ」


探るように俺の手をつかんで腰をしならせて………





(やべっ!)




思い返したことで復活しそうなモノを何とか抑え込むと平静を装い名無しさんに向き直った




「あっ!」

「っ!なっ…何だよ」


「ドライブとかどうですか?」



(何だ…気付かれたわけじゃないのか…)



「ドライブ…」


「はい!それなら人混みもないし、たまにはいいじゃないですか!」


「ま、まあ…そんなに言うなら行ってやってもいいけど?」


「やったー!」



大袈裟に喜ぶと、さっさと準備を始める名無しさん


(運転とかダリィ…けど…)



こんなに嬉しそうだから、まあいいかと溜め息をついた














名無しさんの準備も終わり、さあ行くかと車のキーを握り締め家を出る




「拓斗さんの運転って初めてかも!」


「別に運転できないわけじゃねーし…」



とは言っても普段からあまり車を使う機会がないのは確かだし、ミッションの時も、ほとんど俺以外の運転だ


よくよく思い返してみると、俺の車に名無しさんを乗せて運転するのは初めてかもしれない


バタンと二人で車に乗り込むと、ふと落とした目線の先に名無しさんの足があった




「ってお前…ちょっとそのスカート短くねぇ?」


「えっそうですか?」


白くふわふわと舞い上がりそうな短いスカートは、何だか危なげで思わず顔をしかめる


見慣れた筈の白いスラリとした足に思わずドキッとしてしまう


(俺でも見ちまうんだから、これなら…)



他の男には絶対見られたくない



「今日は二人っきりなんだからいいじゃないですか!」


「……じゃあ俺に見せてるわけ?」


「えっ…ん、やぁっ」



顔を名無しさんの腿に埋めると、白い内側に印をいくつも散らしていく


チュッと音を立てると、名無しさんは体をビクリとさせ、甘い吐息を漏らした




「……任務完了」


「もう!拓斗さんっ!」



紅い斑点を所々につけられた名無しさんの足を満足気に見下ろすとキーを回してエンジンをかける




「んで、どこいく?」


「んー…とりあえず適当に走りましょう!」


「はっノープランかよ!」


「だから、今日は気まぐれドライブなんで目的地とかは特にないです」

「面倒くせぇ…」




悪態をつきながらもアクセルを踏み込むと、気まぐれドライブへと出発した














「拓斗さん…カッコいい…」


「はっ!?ワケわかんねーしっ!」



さっきから俺の運転する様子をじーっと眺めていた名無しさんは唐突にそう漏らす


「だって!何気に運転上手だし、何か大人のハンドルさばきと言うか!」


「何だそれ…つか何気にって何だよ」


本当は手放しに褒められて嬉しいくせに素直になれない



「あっいや…言葉の文と言うか…少し強引そうな乱暴そうなのをイメージしてたんで…」


「馬鹿。俺はいつでも優しーし?」



「………そうですね」


「何だ今の間は」



車内でキャッキャッとはしゃぐ名無しさんを見て、たまにはこんなデートも悪くないと思えた


「あっ拓斗さん!そこのコンビニ寄って下さい!飲み物買ってきます!」


「ハイハイ」



カチッとウインカーを上げてコンビニの駐車場へ入ると、名無しさんはちょっと行ってきますとコンビニの中へ入っていく


その様子をボーッとしながら眺めていると、名無しさんの後を追うように柄の悪い二人組がコンビニへ入っていった



少し気になった俺はエンジンを止めると車に鍵をかけ、コンビニへと足を速める























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