怪盗X

□僕に君は殺せない
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「お願い拓斗さん…もう私を殺して…」

「んなこと出来るわけねーだろ…ほら、立てよ…」

「ダメ…もう体力が…きゃあぁ!」





「あーあ…死んじゃった…」



画面にはgameoverの文字


私達は拓斗さんが気紛れで作ったゲームを並んでプレイしている


「クソッ…またかよ!お前ゲーム下手すぎ」

「ぅー…すみません」



何回かコンティニューをしてやってみたが死ぬのは私ばかり

拓斗さんのフォローも虚しく、ゲームの中の私はことごとくゾンビに襲われ息絶える



「あーもう!またかよ!一回やめ!」

「えー…まだクリアしてないのにぃ…」

「お前と一緒にやってると一生クリアできる気がしねー」



パチンとパソコンの電源を落とすとお揃いのマグカップに入ったコーヒーを飲んで一息つく


「拓斗さん気紛れで作ったわりにすごいクオリティーですね…何気に難しいし…」

「あんなの簡単だし。お前が下手なだけ」

「ぅっそれは…すみません」


残りのコーヒーをグビッと飲み干し気合いを入れると再びパソコンの前へと移動する


「はっ?まだヤル気かよ?」

「もちろん!クリアするまで絶対諦めません!」


「…じゃあ次死んだら罰ゲームな」



「罰ゲーム…?」


「次、お前が死んだら一緒に風呂」


「えっ!一緒に!?」


「今更照れることなくね?毎晩見てんだし」


「だけど…明るいとこでは…」


顔に熱が集まってくる


「まあ、お前が死ななきゃいーわけだし?それとも最初っから死のうとしてるわけ?」


「そんなことありませんっ!絶対無事クリアしてみせます!」



(絶対次は死なないんだから!)


拓斗さんは上機嫌で鼻歌を歌いながらパソコンの電源を入れると、ゲームを起動させた



「約束ぜってー忘れんなよ?」



「もちろん!!」







ゲーム開始から15分


早くも画面にはgameoverの文字が映し出された


「…………………うそ」


「嘘じゃねーし。早く行くぞ」




グイグイと腕を引っ張られながら浴室へと向かう



(拓斗さん絶対わざと私を助けなかった……)




疑いの眼差しを向けたが、楽しそうに服を脱ぎ捨てる拓斗さんを見ると無駄な抵抗だと諦め溜め息をつく



「お前脱がねーの?」


「……だってまだお風呂溜めてないじゃないですか…」


「いいんだよ!ほら、ばんざーい」

「わっぷ!」


無理矢理万歳のポーズをとらされ、スポンと上を脱がされると、すかさず後ろに手を回され、パチンと下着のホックを外される


「ちょっ…拓斗さん!」


「約束…忘れた?」


ニヤリと意地悪な笑顔を見せる拓斗さんに根負けして、大人しく脱がされるのを待つ










「…っ」


時折肌に触れる指に敏感に反応してしまい、必死に声を抑える


「…感じてんの?」


「ちっ…違います!」


「ふぅん…?」


背中をツーと指でなぞられて、思わずビクリと体を震わせてしまった



「……ビンカン」


「もっ…もう!拓斗さんの触り方がいやらしいから…!」


恥ずかしさを振り払うように、浴室のドアを開け、コックを捻るとお風呂が溜まるのをじっと待つことにした




カチャンと背後で拓斗さんがドアを閉める音が聞こえたが恥ずかしくて振り向けない



すると肩にそっと手を添えられて、後ろ髪を横に流された感触があった


「…お前…怪盗のくせに背中見せるとかいー度胸だな」

「っ…ひゃん!」


ゆっくりと背中に舌を這わせて、ちゅっと口付けられる



「お前肩甲骨辺りにホクロあったんだ?」


「…んっしらなっ…ぁっ」


拓斗さんの舌使いに翻弄されて、あられもない声を上げてしまう


「やべー…風呂場だと声が響いて余計エロい…」


拓斗さんの手に導かれるまま、振り向くと暑さのせいか少し頬が上気した拓斗さんと目が合った


「顔…真っ赤」


「たっ…拓斗さんこそ…」


二人で笑い合うとゆっくりと深いキスをする


舌の絡み合う音が浴室に響いて、次第に頭の芯までも溶かされたように何も考えられなくなった



「んっ…ぁ、ん」


「あんま煽んな…」



私の口から段々と拓斗さんの舌が胸元に降りてくると、ピンと張った頂を転がすように舐められる



「きゃっ、ん、はぁ…」


仰け反った頭を片手で抑えられ、もう片方の胸をやわやわと揉まれると蜜壺から愛液がじわりじわりと溢れてくるのを感じた




















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