恋乱LB U

□変わらぬ想い
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何も知らないでうとうとする名無しさんをそっと抱き締めると、甘えるように俺の胸に頬を擦り当てた

それが可愛くて、愛しくて堪らない



「全く…心配で誰にも見せたくないよ、こんな姿」



そのまま褥にそっと押し倒し、柔らかな唇を味わうように舌を絡めたー…
















「さっきの続き…しよ?」


頷く間もないくらい、才蔵さんは私を貪る


こんなに余裕のない彼を見るのは、いつぶりだろう


お酒の力も手伝ってか、いつもより頭がぼんやりする

才蔵さんの手によって次々と体にもたらされる快楽に、声を押さえるのが精一杯で何も考えられない




「んぁっ…く…」



ピチャピチャと部屋に響く音


まるでわざと立てているみたいだ

誰かに聞かせるように…



身体中が火照って熱い




密着した肌から才蔵さんの熱が伝わる




「ゃっ…ゃめっ…んっ…ぅ…」



胸の頂を転がしていた舌が、いつの間にか私の蜜壺に寄せられて、尖った舌が核を刺激した



「ぁんっ…そんなとこ…」


「すごい溢れてくるよ…ここが好きなんだ?」



立ち上がった核を強く吸われて、体が跳ねる


思わず出そうになった嬌声を飲み込んで、才蔵さんの甘い攻撃に耐えた













甘い香りに誘われた蜂の様に


蜜を求めて己を沈める


トロトロに溶かされた名無しさんの中は、直ぐ様俺を快楽の頂点へと昇らせた


もっと楽しみたいのに


もっと味わいたいのに



早く早くと欲望が内で暴れ狂う 




わざと大きな音を立てて、腰を打ち付けて



俺の下で淫らに揺れる名無しさんは妖艶な美しさを惜しみもなく放ち、更に俺を興奮させた




「んっ!は…ぁ…っ!」


「声…我慢しなくても大丈夫だよ」



いつもなら誰にも聞かせたくない

唇を塞いで、俺だけが知る名無しさんの声だって独占するくせに



しかし今日は違う



わざと大きな音を立てたのも、声を我慢させないのも、全てはあの男に知らしめるため



名無しさんは俺のものだって見せつけるため




(俺もまだまだ子供だね…)




そんな考えを打ち消すように、腰を加速させていくと、外からポツリポツリと雨の音が聞こえ始めた




「あっ!才蔵さっ…ん!もう…はっ!」




絶頂に達した名無しさんの声は、強さを増した雨の音でかき消され、後を追うように最奥に俺の想いを余すところなく全て注ぎ込む




「…誰にも渡さないから」



酒が回って気を失うようにして眠った名無しさんに俺の声はちゃんと届いただろうか



一つ優しい口付けを落とし、その日は裸のまま抱き合うようにして眠りについたー…




















(うー…喉乾いた…何か頭も痛い…)


パチリと目を開けると、整った顔が目の前にある


「っ!」


才蔵さん…?

って裸だし!二人とも!


痛む頭を必死に回転させて記憶を辿ると、ぼんやりとだが思い出した



(流石に恥ずかしい…せめて着物を…)



そうっと動いたつもりが、才蔵さんはすぐに気付いたようで、長い睫毛を震わせ切れ長の目をゆっくりと開ける



見られないよう褥を手繰り寄せ前だけを隠すと、何もなかったかのように平静を装った



「おっ…おはようございます…」


「…寒い」


「あっ…すみません!」



私が手繰り寄せたせいで、才蔵さんにかかっていた褥がなくなったのだ

慌ててかけ直すと、視界がグルリと逆転する


「え…?」


「なんてね」


気付くと私の上に才蔵さんがいて、やっと押し倒されたんだと理解した



「ちょっ…才蔵さん!」


「朝からいい眺めだね。このまましちゃおっか?」



妖しく光る瞳が近付いてきたその時ー…
















隠そうともしない気配が近付いてくる

手早く名無しさんに着物を着せると、きょとんとした瞳が俺を見つめた




「才蔵さ…」

「おはよう!!二人とも。爽やかな朝だね」



「謙信様っ!?おはようございます!」


パッと起き上がり、慌てて乱れた髪の毛を整える名無しさん



「朝から騒々しいね…」


「おやおや。忍者君はまだ着替えも済ませていないようだ。朝から真っ裸とは…よからぬことを考えていたのかな?」


「うるさい」



わざとらしく口の端を上げてニヤリと笑う上杉に、邪魔された苛立ちをぶつけると、すかさず間に名無しさんが入る
























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