恋乱LB U

□書きかけの想い
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ようやく賑やかな夕げを終えて、部屋に帰って来る名無しさんを待っていたが、全く帰って来る気配がない



炊事場にも行ってみたが、とっくに片付け終えたのか誰の姿もなかった



(一体どこに…)



すると以前名無しさんが使っていた部屋からぼんやりと灯りが漏れていることに気付く


そっと中を覗くと、何やら机に向かって真剣な表情で物書きをしている名無しさんを見つけた



「んー…何か違う!」


「何してんの」



「きゃあっ!!」

「夜は静かに…ね?」



後ろから口を手で塞ぐと、悲鳴を飲み込んだ名無しさんがゆっくりと頷く



「それ…前にも言われた気がします…」


「そーだっけ?んで、こんなとこで何してんのさ。書き物ならいつもの部屋でも…」


机に置いてある文に目線を向けようとしたその時



「わわっ!駄目ですっ!!見ないでください!」



今度は俺の目が塞がれる




「…何で」


「なっ…何でも…です」


「そんなことされると余計気になるんだけど」


「……秘密です」












(危ない危ない…危うく見られるところだった)



まさか町で才蔵さんに恋文を渡してくる女子に嫉妬して、負けじと才蔵さんに文をしたためていましたなんて…



(口が裂けても言えない…)




他の人の真似をしたって意味がないとわかっているのに


私の乏しい頭では他のことが思いつかない


何だか空回りばかりしている気がして溜め息が出た




「…いい加減避けてくれる?手」


「えっ…あぁ!すみません!」



慌てて才蔵さんの目にかざしていた手を避けると、この上なく優しい表情をした才蔵さんに驚く



訳がわからずキョトンとしていると、笑いを堪えきれないといった様子で肩を震わせる才蔵さんに、更に戸惑った



「…くくっ…」


「え…ぇ?才蔵さん何で笑ってるんですか??」


「さあね…」


「さあねって…えぇ?」



(そんなに情けない顔をしていたのかな…?)



















間の抜けた名無しさんは指の隙間から、机に置かれている文が俺に見えているとは、夢にも思わないのだろう


ザッと目を通すと全てを悟った




(なるほどね…)





名無しさんの優しさと、たまに抜けたところが、この上なく愛しい


愛しい女に嫉妬されることが、こんなにも嬉しいとは思わなかった

名無しさんにとっては不安になるのかもしれない


しかし俺には、そもそも最初から彼女しか見えていないのだ


幼い頃から……







「もー…どうして笑うんですか?」


段々涙を浮かべてきた名無しさんの頭を優しく撫でると、ポスっと俺の胸に体を預けた



それが堪らなく可愛くて、華奢な体をそっと抱き締める




どうしたら名無しさんを安心させることができるのだろう


答えは一つしかないと思った

















「んっ…はぁ…」



宙に浮かせた手が空を切る


私の手を才蔵さんの大きな手が掴み、優しく抑えた



細く尖らせた舌で胸を刺激され、恥ずかしいのにビクビクと体を震わせてしまう



フワフワとした髪の毛がくすぐったい



「ぁん…!っ…」



才蔵さんは胸に顔を埋めながら、蜜壺にゆっくりと指を沈めた


圧迫されながら弱いところに指を滑らせる



「ぁあ…はっ…ぅ…」



自分の声が恥ずかしい


"もっと"とねだっているようで、抑えたいのに、抑えられない


私の中を知り尽くしている才蔵さんは感じるところだけを狙って指を動かす



「もっ…ゃっ駄目っ…ぁん!」



滑らかな指の動きに翻弄されて、あっという間に絶頂に達した私に、間髪入れず才蔵さんが入ってきた



「ぁっ…ちょっ…待って…ん!」


「無理。もー限界…」


「はぁん!ゅっ…くり…ん!」




いつもなら慣れるまでゆっくりとした動きにしてくれるのに、今日の才蔵さんは最初から私の蜜壺に腰を打ち付ける



絶頂に達したばかりの私は休む間もなく、才蔵さんの想いに体を震わせた



「ゃぁん!もっ…無理…才蔵さっ…」


「いいよ…イキなよ」





何度も絶頂に達しながら、才蔵さんは時間をかけてやっと己を私の中に注ぎ込んだー…



















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