One More Time

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決勝リーグ 当日





誠凛の最初の相手は、桐皇学園。
青峰大輝のいる学校。





「全員、準備はいいわね!?」




控室でリコ先輩が言った。
そして気合いの入った言葉が続いた。
なぜかコガ先輩がハリセンで叩かれていたけれど…。
みんな気合いとやる気は充分のようだ。
私も初めてマネージャーとして初めての試合。
しっかりみんなを支えないとね!





そしてコートへ。
誠凛、桐皇が揃って入った。

あれ、桐皇チームに大輝がいない…。

大我が桐皇の選手にそのことを聞くと、なんと遅刻だという。





『大輝のやつ…なめてるね。はい、ドリンク』




アップをしっかりしてベンチに戻ってきたテツヤにドリンクを渡す。
テツヤはありがとうございます、と言って受け取っていたが、その顔は少し険しいように見えた。




「今のうちに点差をつけて青峰君に後悔させてやります」

『テツヤ、若干怒ってるね』

「そんなことないですよ」




まぁ、怒りたくなる気持ちも分かるけどね。











選手整列。
誠凛対桐皇の試合が、始まった。



試合の展開は桐皇リード。
いきなり3Pを決められ、速攻を決められた。
そこから点は桐皇にとられ、苦戦していた。

大輝がいなくても、強い。
そう思わせられた。
誠凛もなんとかそれについていく、と言った形だ。



でも、桐皇には選手よりももっと怖い子がベンチにいる。
チラ、と桐皇ベンチにいるさつきに視線を向ける。
さつきも気づいたようで、私と目があった。
するとさつきはニコ、と可愛らしい笑顔を向けてきた。

その笑顔が怖いんだよなぁ…。

私はその笑顔にひきつった笑顔で返した。



案の定、さつきのデータが活かさせれ、こっちの行動が予測されていた。




「…あの子の仕業ね」

『さつきはデータ収集からさらに予測したデータを分析するのが得意です』

「まずくないすか!?なんか手を打たないと…」

「このまま行くわよ!」

「え!?」

『そうですね。それが最善ですよね』




動揺する部員たちを気にしない女二人。
ここはやっぱり。




「女のカンよ!彼は女のカンでも次何するか分からない!」




テツヤの思いがけないスクリーンで誠凛の点に繋がった。

リコ先輩の言うとおり、本当にテツヤは分からない。

だからテツヤは面白い。






25-21で桐皇リード。
第一Qが終了した。




「黒子君と火神君を中心に攻めるわよ!」




リコ先輩が作戦について話す。
それが終わり、私は大我の足をマッサージする。




「紺野、怪我してないほうの足はいいんじゃね?」

『ダメ!一応両方しておかないと』

「そんなもんか」

『そんなもんです』

「じゃあお願いするわ」

『うん!任せて!』




足に向けていた顔を大我に向けて笑うと、大我はそっぽを向いてしまった。
…私なにか変なことしっちゃったかな?




「火神君、照れてないで集中してください」

「ばっ、うるせーよ!」

『はい終わり〜』

「お、おう、サンキュー」

『そろそろ時間だね、いってらっしゃい!』




テツヤと大我は軽く返事をするとコートに戻って行った。




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