One More Time

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「明後日は一日実力テストがあるからな」





担任の先生がそう言って、クラスは解散になった。



実力テスト…気が重い…。
勉強好きじゃないんだけどなぁ。



ピコン



ケータイが光った。
メールかな?
あ、リコ先輩だ。






中間テスト全部持って集合!





私のほかにバスケ部一年が一斉送信で送られてきていた。
え?なんで私まで?







…ということで。




中間テストを持って体育館に集合したバスケ部1年生。

リコ先輩が言うに、次の実力テストの下位100名は来週土曜日に補修だそうだ。
って、土曜日って決勝リーグじゃん!

…ますます私は関係ないような…。







「つーわけで!中間の結果で危ないと判断したら今夜からカントクん家で勉強合宿だ」







カントクん家…?

男子は少し期待しているようだ。
健全な男子ですものね。







「補習で試合に出れんかもしれんバカにウフフな展開なんぞあると思うなよ」







リコ先輩の黒のオーラが部員たちを震え上がらせた。



そして始まった成績チェック。


テツヤは普通、との判定を受け、大我はというと赤点ばかり。







「バカだバカだとは思っていたけども!!ここまでか!!」

「フツーに0点もあんじゃねーか!」

「こりゃ俺ら全員がかりで教えるっきゃねーな」

「センパイたち教えるほど頭いいの?ですか?」






リコ先輩の跳び蹴りが大我に見事にヒットした。

そんな先輩たちはみんな半分より上位。
リコ先輩はなんと2位という好成績だった。







『あのー…リコ先輩、私はなんで呼ばれたんですかね?』

「うふ、ただの興味よ!」

『なんですかそれ…』

「いやぁ、翼ちゃんが頭よかったら手伝ってほしいなぁって」

『えー…勉強は手伝いたくないです』

「こう言っちゃなんだけどそんな頭良さそうじゃねぇけどな」

『勉強は大嫌いですけどね』

「ではでは、テスト拝見!」







中間テストを見せると先輩たちは固まった。
どうしたどうした、と一年生たちも覗く。






「はぁ!?」





第一声は大我。





「これは…」

「かなり予想外…」

「まさか翼ちゃんがこんなに…」

「頭がいいなんて」






先輩たちは唖然としていた。
大我はありえねー!、と叫んだ。






「全部95点以上…」

「ほんっとにありえねー!!」

「火神君、まさか自分と同レベルだと思ったんですか?」

「…こいつ頭良さそうに見えねーじゃん」

『大我ちょー失礼!』

「でも勉強嫌いって言ってなかったか?」

『嫌いですよ!』

「でも出来てるじゃん」

『なんか出来てるんです』

「おいおい、最大の嫌味だな」

「黒子、中学のときから成績よかったのか?」

「翼さんは中学のときからこんな感じですよ」






ごほんとリコ先輩は咳払いをした。






「ってことで、火神君、勉強会するわよ」

「バスケできりゃー勉強なんてどーでもいーじゃ…」

「バスケはバカでもできるわ!けどバカじゃ勝てないのよ!」





ずば、とリコ先輩は大我に言い放った。





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