One More Time

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次の日





『大我…大丈夫?』

「いや…死ぬ…」





大我は目の下にクマをつくりながら暗記カードをペラペラめくっていた。






『私夜通し勉強なんて考えられない…』

「くっそ…紺野は同類だと思ってたのに裏切られた気分だぜ…」

『勝手に仲間にしないでくださーい』

「翼さんも参加してくれれば良かったんですけどね」

『私無理だもん。勉強したくない』






大我はくそ…と言いながらもぶつぶつと暗記カードの単語をつぶやいた。






「火神ー昼は図書館でやるぞー」






コガ先輩が大我を迎えに来た。
本当に一日勉強漬けかぁ…考えられない。
大我ご愁傷様。






「マジで死にそーだけどなぜか昨日黄瀬からメールが来た」

「あ、ボクが教えました」

「勝手に教えんなよ!」






そのメールが…、と大我は見せてくれた。






言い忘れたけどウチはI・H出場決まったッスよ。
早くリベンジされにこい!!





『これはますます気合い入れないとまずいんじゃないの?』

「あぁ…キセキの世代倒して日本一になるっつったのにこんなとこでつまずけるか!」

「…火神君。もしどうしてもダメだったら…これを」

『あ、それ、真太郎特製コロコロ鉛筆!』

「いるか!!!」





鉛筆を投げつけた大我だったが、次の日、この鉛筆に助けられることとなるのだった。













テスト当日。



今日は一日みっちりテスト尽くし。
大我、大丈夫かな…。




テストが終わり、意気消沈している大我の席に移動した。






『ダメだったのか…』

「あぁ…ひたすら鉛筆転がしてたよ…」

『あ、じゃあ大丈夫だよ』

「はぁ…?」

『ね、テツヤ』

「絶対とは言い切れませんけど、補習は免れると思いますよ」

「何言ってんだお前ら」










翌日。






「火神!テストどうだった!?」





先輩たちが教室に入ってきて大我に問いただす。





「それが…」





なんと、308人中90位。

先輩たちは信じられないという反応をしていた。






『真太郎の鉛筆のおかげだね!』

「認めたくねーけどな…」

「緑間こえぇ」

「ちなみに翼ちゃんは?」

『私ですか?』





結果の紙を見せると、大我と違う意味で驚きの声を上げた。





「…1位…」

「なんというか、ごめんな」

『え、あ、はい…?』

「紺野…オマエなにか特別なことしてんのかよ」

『いや全然。多分授業でやったこと覚えてるからじゃない?』

「全部かよ!?ありえねー…」

「とにかく、緑間のおかげで助かったな」

「複雑だ…です」








こうして、全員補習を免れた。

一番心配だった大我もこの大きな壁を乗り切ったことだし、

リーグ戦、楽しみだなぁ。




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