家族ごっこ
□イタズラゼニガメ団
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……テニスコートの近くまで行くと、女の子の悲鳴と違う、男の子の悲鳴が聞こえた。
幸「わ!?」
どうやら水鉄砲を食らったようだ。
『フゥ…皆、準備は良い?』
《OK》
《大丈夫だ。》
《何時でもどうぞ。》
『じゃあ…行くよ。』
彩花はスタスタとテニスコートに入って行った。
すると、男の子を襲っていたポケモン達が彩花の方に向いた。
幸「此処は危ないから来たら駄目だよ!!それに、テニス部以外立ち入り禁止だし!」
『五月蝿い。少し黙って。』
幸「な!?」
『ねぇ、君達は追いかけ回されたポケモンと捨てられた子達だよね?』
《そうだけど何?お前も俺等の事追いかけ回すの?》
『そんなことはしないよ。大丈夫。私は君達に居場所とかを守りに来たんだ。それに、私なら君達の言葉が分かるから、不満なら言ってくれれば良いし…ね?』
《な!?信じられない!!》
『信じられない?何で……嗚呼、証拠が無いからかな?じゃあ、試しに…何か悪口を言ってみてよ。同じ事を言ってあげる』
《……女の子の癖にグチグチ俺等に説教してるんじゃねぇよ》
『女の子の癖にグチグチ俺等に説教してるんじゃねぇよ。でしょ?』
《!?》
ゼニガメ達はやっと彩花の事を信用したようだ。
『これで分かったね?君達は確か、居場所がほしいんたよね?なら、その居場所…私が作ってあげる。ねぇ、私と一緒に仕事をしてみない?私は、捨てないし、束縛もしない。どう…かな?』
彩花は優しくポケモン達に問い掛けた。
《皆はどうする?》
《僕は賛成》
《俺も…賛成》
《僕も賛成♪》
《なら、お願いします。》
『ん、分かった♪宜しくね。皆(ニコッ』
《宜しくお願いします///》
《宜しく、主》
《宜しく♪(ニコッ》
《ご迷惑をお掛けしますでしょうが宜しくお願いします//》
全員は信用したらすぐに心優しい子達に変わった。
『フフ、じゃあ、此処だと邪魔になってしまうから皆、行こうか♪(ニコッ』
《《《《はい!!》》》》
彩花はそう言うと、ポケモン達を連れて出ていこうとした。
だが、先程の男の子とその友達らしき人に止められた。
仁「待ちんしゃい。お前さんは何者じゃ?」
『私?さあ…ね?君達は知らなくて良いのですよ。もう会うことは無いでしょうから。』
幸「会うことあるんじゃない?君はミーハーだろ?」
すると、彩花のポケモンの讖が出てきて、擬人化した。
白く綺麗な髪と少し黒ずんだ金色の瞳をした男の子の姿になった。
讖「何、主をミーハー呼ばわりしてるんだ。何故主がお前等にキャーキャー言わねばならん?主は大の男嫌いでな、男が居ると性格が変わるんだ。」
『讖、余計な事言うんじゃねぇよ…』
幸「!!」
丸「!?」
全員…ポケモン以外は目を見開いた。
それはそうだろう。
あの可愛らしい子が一瞬でコロッと変わったのだから。
『ハァ…何?ウザイんだけど。』
彩花はギロッと男の子達を睨んだ。
『あーあ…讖も出ちゃったし、皆…出ておいで♪(ニコッ』
ポンポンと海兎と月夜が出てきた。
勿論、擬人化して。
月「彩花、やっと出してくれた♪(ニコッ」
ギューッと抱きついたのが、銀色の髪と銀色の瞳の美少年の月夜。
そして、それを見て引き剥がそうとしているのが、真の青い髪と蒼い眼をした美少年の海兎。
幸「……君達は誰だい?」
月「僕?僕は月夜♪彩花のパートナーさ♪」
海「ちょっと!!月夜!!何嘘ついてるの!?僕が彩花のパートナーだよ!!あ、僕は海兎」
『海兎、月夜…喧嘩は駄目だよ?』
海「だって、月夜が…」
『うん、月夜が悪かったね。月夜、ゴメンナサイは?』
優しく微笑む彩花。
月「……ゴメンナサイ…。」
『うん、良い子♪』
彩花は月夜を撫でていた。
幸「で、君は?」
『ハァ…生徒会長、水野 彩花。』
讖「……主、溜め息は駄目だぞ?」
『うん、分かった。』
幸「生徒会長!?」
真「な!?真か!?」
『……本当よ。だけど、知らなくて無理もないわ。私、生徒会長の挨拶の時、仕事が入ってて話せなかったから。』
そう言うと、また出ていこうとした彩花。
真「待て、水野。」
『何ですか?』
柳生「仕事とは一体何をするんですか?」
『ポケモン相談所の依頼をこなしてるのよ。今回も先生達からの依頼だし。』
それだけ言うと、今度こそ出ていった彩花とポケモン達。
男の子達は1分ほどポカーンとした後、テニスを再開したような……。
今回、居場所を見付けたポケモン一覧♪
ゼニガメ(紫眼)→紫音
ヒンバス→美音
ムウマ(黄色)→黄李
イーブイ(実験台にされていた為、自由に進化可能)→狐音