題名のない日々
□A rainy night
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雨の日の夜は嫌いだ。
雨音に、全てを奪われ押し流される。
―耳も、頭も痛くなる。
連日の雨模様で湿りきった空気が、更に不快感を後押しする。
眠りにつこうとベッドに横たわるも、静寂の中鳴り響く水音が頭から離れない。
「明日は晴れ間が期待できるでしょう」
そう言っていた先程のニュースの見解を思い起こすも、期待など微塵も湧かない。
明かりを失った部屋が、追い討ちをかけるように俺を揺さ振る。
無意識に頭元を探って、充電器に差し込んでいた携帯を手にした。
小さな電子音と共に、外面のサブディスプレイが異様な光を放つ。
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