題名のない日々

□二人の音 ー*
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規則的に軋むベッドの音。

その中に混じる、甘く艶やかな声。


「っ…あっ…!ん‥っ」


必死で快感に耐えながらも、呼吸と共に鼻にかかったような声が僅かに洩れだす。

互いの熱で湿った肌が吸い付いては離れ、どんどん引き込まれていく。




―あぁ、気が狂いそうになる。


見慣れている筈のハルの顔。
汗と涙が滲む表情に、どちらのものともつかない唾液に濡れた唇から、断続的に洩れる上ずり震えた声。


細くしなやかな肢体を見下ろし、感情に突き動かされるまま繋がりを求めて…―。
時折、ハルの唇が何か言おうと形作るけど、自らの嬌声に消えていく。



―何度も、何度も、ハルの名を呼ぶ。
躰の求めるままに…―。





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